想像してみてほしい。もしキミの子ども時代に、手の込んだ痛々しい方法で親がキミのアタマや足を奇怪なカタチへと変えてしまったとしたら?イイ仕事に就くための確実な方法が、剣で顔をメッタ切りにされているあいだ1ミリたりとも動かずにジッと立っていることだったら?それとも、こういうのはどうだい?固い甲羅のようになるまで髪を洗わないとか、自分のアタマが一生ダニやシラミの巣窟っていうのは。それから、ご近所さんがいつキミの頭皮をかっさらいにやってくるか分からない恐怖にさいなまれながらの生活ってのはどうかな?
もちろんこれらは空想でなく紛れもない事実であり、人類の歴史において実際に行われてきたことだ。何世紀にも渡って、人類は自分たちのカラダを好きに改造してきた。時には社会的地位やスタイルのため、人のカラダだって喜んで改造した。さあ、記憶の小道へとちょっと散歩に出てみようか。
自分だけのヘルメットを育てよう
だらしのない生活の跡が、時としてファッションとなることもある。このイイ例が、ギトギトの汚い髪がもつれて固まってヘルメットの様になった“Polishplait(ポーランドの三つ編み)”だ。固まった血や土、シラミの死骸や膿みによってグチャグチャにもつれて出来上がるこのヘアスタイルは、それだけなら髪をただ放置した結果に過ぎないが、更に大量のシラミが巣食うとなると、孵化したカラのタマゴが接着剤の役割を果たすこともあった。
このヘアスタイルは、とりわけポーランド人の小作農たちのあいだでよく見受けられたと言われているが、それもこのヘアスタイルが健康にイイという迷信を彼らが信じていたからだ。彼らはこの誇り高き不潔な髪のかんむりにケモノの油を塗りたくり、毛糸の帽子で大切そうに覆っていた。
デンマーク王・クリスチャン4世がこのヘアスタイルを始めると、ファッションとしての見解は一層高まった。彼はアタマの左下に向け、髪をブタのしっぽのカタチにし、リボンを飾って垂れ髪風に仕立て上げた。それは彼に仕える者たちのあいだで自然と広まり、考えつく限りのスタイルが以後見られる様になった。 |