DICKLESS WONDERS

気をつけないとヒジュラに呪われちゃうよ

INTERVIEW AND PHOTO BY SARAH HARRIS

ルビーナ(左)と、身元不明の友人。

インドの誇る“女子になりたい男子集団”が正式に50万人を突破。このクレイジーで愛らしいオカマちゃんたちを1人残らず抱きしめられたらイイのに、と願うばかりよ。彼女たちは“ヒジュラ(ウルドゥー語で“両性具有者”の意)”と呼ばれていて、インドの至るトコにいる。男でも女でもない彼女たちは千年以上も前から“幸運を呼ぶ聖なる存在”として重宝されていて、その長い伝統は一応今でも受け継がれているみたい。だけど、私たちの生きるシニカルなこの時代にそんなこと言われても、レプラコーンの妖精と同じくらいその存在を疑っちゃう。そんなワケだから、今じゃ彼女たちもただのかわいらしい街娼に落ち着いてるってカンジ。私たちは最近、35歳のマイソア育ち(アハハ、町の名が“mysore(私のタダレ)”って!こんなのインドだけにしといてよね!)の“ルビーナ”という名のヒジュラにコンタクトを取って、彼女の家で性転換に関する話を訊かせてもらったの。彼女に協力してもらうために1,000ルピー(約2,000円)を渡さなくちゃならなかったけど、もちろん喜んで払わせてもらったわ。

Vice:“ルビーナ”って、ステキな名前ね。
ルビーナ:
ありがとう。この名を名乗る前は“サディック”という名の男の子だったわ。でも物覚えのつくずっと前から私はオンナになりたくて、生まれた頃からずっとオンナのコみたいに振る舞っていたの。歌や踊りが大好きで、髪も伸ばしてブラとパンティーを身につけてね。

それで、“インポのヤツら”の仲間入りを決意したのはいつなの?
18歳の時、ヒジュラ・ファミリーに入れてもらうために家出をして、ムンバイにやってきたの。導師が私のために特別な儀式を開いてくれて。儀式は、結婚式のように盛大で華やかなのよ。新しいサリーに着換えて、バングルもたくさん着けて、飾りつけもして。幸せな一日だったわ。実家にいた頃なんてオリに監禁されている様なカンジだっただけに、まるで初めてシャバの空気を吸ったかのような心地だったわね。

その導師がアナタのペニスも除去したんでしょ?彼はそういう権利を法的に持っているの?
持っていないわ、だから彼は手術を内密に行うの。もちろん、“アレ”を切り落とす時はスッゴく痛かったわ。でも私たちはこの過程を、出産にたとえるのよ。私たちは女性として生まれ変わるんだから。この去勢手術でたまに死んじゃう人もいるけど、それでもガマンしなくちゃいけないの。私の時もスゴく怖かったけど、終わった後に沸き上がってきた幸福感なんて、もうたとえようがないわね!私はデブだけど、生まれ変わった自分のカラダを愛しているわ。あなたから見て、私はどう見えるかしら?

ステキよ!その時の両親のリアクションはどんなカンジだった?
激怒してたわ。だから「受け入れてくれないなら、ココには二度と戻ってこない」って言ったの。私は一人っ子だし、ヒジュラとしてオカネもちゃんと稼いでるから、今では両親もちゃんと認めてくれてるわ。

ヒジュラとニューハーフのちがいってナニ?
私たちは“神からの贈り物”のようなモノよ。だけど、間違った性を受けて産まれてきてしまったのが問題なのよね。インドには何千年にも渡るヒジュラの歴史があるし、私たちにはちゃんとした役割がある:幸福を呼ぶという理由で人々は私たちに沢山のオカネを払って、結婚式や出産祝いの場に立ち会わせるのよ。でも普段は、店のオヤジやそこらのオトコに近づいて「ハーイ、ダーリン。ナマステ。ねえオカネちょうだいよ」なんてイジワルなこと言いながら彼らに触れて、そうして降参した彼らが差し出すオカネで生活してるの。オカネをもらう代わりに邪念を振り払ってあげるのよ。そして私たちをトラブルに巻き込まない限り、私たちも面倒は起こさないわ。

トラブルって、要するにどんなコト?
もし向こうが「カネなんか出すモンか」と言ってきたら、私たちはサリーをたくし上げてカラダを晒すわ。たいていがこの辺で参ってオカネを出すのよ。でもたまに、私たちのハダカを拝めることを縁起イイことだと思っている人もいて、そういう人から礼儀正しくお願いされてオカネをもらった上でハダカを見せることもあるわ。時に彼らはキスをしてきたりムネを触ったりもしてくるけど、とても優しくしてくれるから、それはそれでイイのよ。

ヒジュラを恐れる人たちもいるの?
いるわ。そういう恐がりな連中に限って「ホモセクシャルのオカマ野郎、チンコないんだろ!」なんて卑猥なコトを大声で叫ぶのよね。だから私も同じように「地獄に堕ちろっての!アンタ、交通事故で死ぬわよ!」って言い返してやるワケ。それで、私が言ったことはたいてい現実になるのよね。先月イヤミなオンナがうちにやって来て「私の夫は超リッチだから、アンタみたいなクソビッチを10人買っても大したコトないわ!」なんて抜かすモンだから、私もアタマに来て「アンタの夫、もうじき死ぬみたいだけど大丈夫?」って言ってやったの。その翌週にその夫はホントに死んだわ。コレがヒジュラのパワーってヤツよ。■

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