SHINTARO KAGO TURNS SHIT INTO GOLD - PART 1

The Vice Interview

INTERVIEW AND PHOTOS BY TOMOKAZU KOSUGA


マンガは日本を象徴する文化のひとつだ。ありとあらゆるマンガが、それこそ毎日山のようにここ日本で排出されてきた。そんなだからみんな目が肥えすぎてしまって、そこら辺のマンガじゃもう物足りないんじゃないか? そう、マンガというジャンル自体を根本から立て直すような“何か”が必要だったんだ。

そんなマンガ界を根本からブチ壊してくれる破壊神のような漫画家をここに紹介しよう。彼の名は駕籠真太郎。彼は雑誌連載という極消費的な商業分野の中でマンガというジャンルを分解・再構築させ、独自のトリップ感と実験要素を取り入れ、作品として昇華させてきた。“奇想漫画家”という肩書きを持つ彼の活動は多岐に渡り、マンガの枠組を越えてフィギュアを手作りで作ったりもしてる。これがなかなかどうしてキワモノ系で、ウンコ・バラバラ死体・ダルマ人間・奇形児なんていうモノばかり。これが結構かわいかったりするんだ!

でもやはり、何よりも強烈なのが彼の描くマンガだ。だから今回はそれについて彼に話を聞いてみた。ここにそのインタビューと、VICEのために描き下ろしてくれたマンガを紹介しよう。


駕籠さんが扱うネタで最も強烈なのはウンコだけど、漫画でのスカトロ表現に行き着いたきっかけは?

完全にネタの一部だよ。本格的にウンコネタとか誰もやってなかったから、まず自分がやってみたかったのもあるかな。それと、どんなネタでもそうだけど、いつも雑誌の形式に合わせてネタを考えている。当時、僕のマンガが載るような雑誌は特殊なものが多くてね。そのなかのひとつにとりわけキワモノ系のマンガ雑誌があったんだけど、ウンコネタはそこでの連載がきっかけで描き始めたかな。

そういう雑誌で最低限入れるテーマって?

まさにウンコとエロ。それ、だけ。それらを最低限入れてどんなバリエーションが出来るか、っていうことで。これがもう本当にキツくて、連載初めてから2、3回目でやめたいと思ったよ。ウンコとエロはあくまでもスタートラインに過ぎない。まずそれをクリアしないと何も始まらないんだ。あと、せめて『出すキャラはかわいらしい女の子を多く』っていう風にはしてるよ。まあそれくらいかな。でも実際のところは読者ウケもあんまり良くないんじゃない? ああいう雑誌を買う人は僕のマンガみたいなのは求めてないだろうし。


駕籠さん自身、そういった性的衝動は実際にお持ちで?

妄想としても実際の衝動としてもないかな。ということにしておくよ(笑)。まあ、あくまでネタとして描いてるから。スプラッターギャグは基本的に昔から好きだけどね。実はSEX描写が苦手で、ホントはそういうの描きたくないんだけど、それでも媒体がエロ雑誌の場合はなにかしらそういった要素を入れなきゃならない。僕の場合はそれが極端だから、よく自分のプライベートと結びつけられがちだけど、言ってみれば与えられた制限やら方針の中で自分のテイストを確立するっていうことをやってるだけだから。

でも、本当にそういうのが好きな人とかからコンタクトが来たりとかは?

どの人がどんな趣向の人なのかとかまでは、実際のところは見ただけじゃわかんないからね。でもまあ、いるとは思うよ。だからといって、今までなにか問題があったとかはないけどね。

じゃあ“奇想漫画家”って肩書きはどうやって生まれたの? そしてそれはいつ頃から?

いや、なんとなく。誰も名乗ってなかったからね。“特殊漫画家”だともう名乗ってる人がいたし。だから“奇想漫画家”とは結構前から名乗ってたよ。でも最近、肩書きもどうしようか悩んでるんだよ。もちろん漫画家は漫画家なんだけど、『漫画家プラスアルファ』みたいな感じにした方がいいのかな、とか。やっぱり“漫画家”っていう肩書きだけだと、どうしても漫画の枠でしか捉えてもらえないんだよね。それ以外のことをすると「漫画家なのになんで?」ってなるんだ。だからなんかプラスアルファした方がいいのかなとは思ってるよ。

かと言って安易に自分から“アーティスト”とは名乗りたくない、と。

うん、アーティストって名乗るのはちょっとイヤだね。自分でアーティストとか名乗るもんじゃなくて、それは作品を観た人が判断するものだと思うよ。だからといって造型家でもないし、映像作家っていうわけでもないんだよね。でも、“実写の写真を使ったマンガ”とか、そんな風にマンガにプラスアルファして発展したものがなにかできないかなとは日頃から考えている。だからそういう複合的な要素を取り入れた良い肩書きがあればいいなと思ってる んだけどね……。

なるほど。それじゃ、描くマンガが今のテイストになってきたのはいつ頃から?

高校くらいからかな。マンガ研究部に所属していたんだ。その頃から既にテイストはブラックだったかもしれない。少なくとも健全な方向ではなかった。今考えると、あの当時一緒にマンガを描いてた同級生でわりと健全なギャグマンガを描くヤツがいて、彼に対抗して反対のものを描こうとしてたのかもしれない。もしかするとだけど。

今回のマンガもそうだけど、“コマがすべて均等のフレーム”っていうスタイルが多いのはなぜ?

一部のコマを特権化しないっていう意味で、すべての場面を平等にするためだよ。均一にすることから発生するギャグもあるしさ。例えば、1コマ漫画や4コマ漫画のギャグ表現はコマ数に制限があるからこそ生まれるものであって。もともと大仰な表現が嫌いというのもあるけどね。大ゴマで目を引くというのは基本的にハッタリだからさ、もちろんハッタリが悪いとは言わないけど。

それにしても毎回マンガのネタを考えるのは大変じゃない?

そうなんだよ。連載だったら勢いとか流れで描けるけど、僕の場合は毎回短編を描くスタイルの依頼が多いから、いつもちがうネタを考えなきゃならない。これはキツいよ。昔はまだしも、ここ最近はぜんぜんアイディアが浮かばなくなってる。だからムリヤリ昔のネタを使い回したりとか。でも、ある程度好きに描ける雑誌が減ってきちゃったっていうのもあるかな。メジャー誌みたいな規制の多い雑誌だとやっぱりネタも思いつきにくいし。あと、『コミックコットン』がなくなったのには本当に困った。あれはホントに好きなものを描かせてくれた雑誌だったから。ああいう雑誌はどんどんなくなっていくんだろうね。『フラミンゴ』もそうだし。今後、あの手のゆるい雑誌はもう出ないだろうね。僕みたいな作家はどんどんやりにくくなっていくよ。それにあわせてネタも本当に出しにくくなってる。困ってるよ。


CONTINUED
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hey, on Dec 03 2008 02:21:37 PM wrote:
hey


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