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旧西部のセックスと死に関するガイド

TEXT AND ILLUSTRATIONS BY JULIA WERTZ

ハリー・S・トルーマンはかつてこう言った:「アメリカは勇気やイマジネーション、そして目前の仕事をこなさなければならないという強い決意によって築き上げられた」。でもそんなのは戯言に過ぎない。アメリカという国は、泥棒とか酔っぱらい、そして手コキのうまい娼婦によって作られたんだ。『デッドウッド』のおかげで旧西部の鉱山都市における愚行を知っている人は多いが、ココではオレたちのクソみたいなルーツを彷彿とさせるような天災や売春のストーリーをリストアップしてみた。


鉱山の惨事

20世紀初頭、ネバダ州ゴールドフィールドの鉱山で土砂崩れが発生し、地下120メートルの小さな洞窟に20人の男が閉じ込められてしまった。当分助けが来ないコトを悟った彼らは、すぐさま火薬ケースに靴ヒモ、パイプなんかを利用して楽器を作り、全員で演奏し始めた。きっと、ハンパなくクールなバンドだったハズだ。しかし3日目に最後のロウソクの火が消えると同時にバンドも解散を余儀なくされ、その後しばらく暗闇の中で座ったまま、時計がチクタク刻む音に聞き入った(だがそのうち我慢できなくなって、時計は水溜まりの中へ投げ捨てられてしまったが)。歯がガタガタ震えるコトによる痛みを和らげるため、アゴをバンダナでしばったりしながら彼らはひたすら救助を待った。だがついに、9日目にして1人の男が発狂。洞窟内を走り回り、カベに頭突きしまくった挙げ句、死亡した。14日目にはようやく無事に救助され、結局発狂した男以外は生きて帰れたとのこと。

鉱山労働者は桶のようなモノで地下から地上へと引き上げられるのだが、この時の急激な気温の変化で気絶してしまう者も少なくなかった。この場合、彼らはそのまま桶から転がり落ちて鉱坑の下まで落っこちてしまうのだ。一見それほど大した話に聞こえないかもしれないが、実際にこうした鉱坑の仕組みを把握するとその恐ろしさが理解できる。鉱坑ではまるでジェンガのように木材や鉄の棒が至る所から飛び出ているため、それらにぶつかりながら次第に労働者のカラダはバラバラに千切れていく。底に着いた頃には、肌や骨、そして服なんかが、いくつものカケラとなって、最終的には一番下に溜まっている煮え切った熱湯の中へ消え去る。面白いコトに、労働者の転落事故があまりに頻繁に発生したのがきっかけとなって、後で埋葬する用にそうしたバラバラ死体を簡単にすくい上げてロウソクの箱に保管しておくシステムまで整えられたらしい。死に様としてはかなり残酷だが、ロウソクの箱なんていう、かわいらしい棺桶に入れてもらえるのはちょっと嬉しいかもしれない。

あっ、そうだ、とりわけ身震いするほど恐ろしい事件が1つあった。或る鉱山労働者が桶から転がり、71度の熱湯に落ちてしまったコトがあった。だが幸いなコトに股までしかお湯には浸からなかったため、生きたまま救出されたらしい。しかしその直後、なんと足の皮がすべて剥がれ落ち、そのまま死んでしまったのだ。コレはもう、痛そうとしか言いようがない。

他にも、鉱山労働者はウィスキーを水のようにガブ飲みしていたため、酔いやケアレスミスが原因のちょっとユーモラスな事件がよく起きたりした。例えば労働者は非常に繊細な爆発性化合物であるニトログリセリンの詰まった雷管を用いるコトが多々あったのだが、コレを彼らはタバコ用のポーチに詰めて持ち運んでいたため、よくタバコと間違えてこの粉末をパイプに詰めては点火し、鼻の先っぽを吹き飛ばしたりしてたらしい。

こういった爆発によって多くの労働者が命を落としたのだが、そういう現場の後始末もひどく荒いモノだった。例えば1891年にコロラドの或る新聞がこんな記事を掲載した:「トンネル内の爆発により4人の鉱山労働者が死亡。男性らの死体はバラバラに千切れ、身元が確認できないほどズタズタに。腕や足はすべて胴体から引き裂かれ、トンネル内では爆発現場から30メートル離れたところまで死体の破片が飛び散っていた」。こういった事件の後、残った労働者は生石灰をトンネル内に撒いて何事もなかったかのように仕事へと戻っていったらしい。


旧西部のロマンス

鉱山労働者の家族が西部へ越してくる以前、街には娼婦くらいしか女性がいなかった。酒やギャンブル以外の金の使い道といったら、それはもう女遊びしかないだろう。中でも一番有名な娼婦ジュリア・ブレットは、ウワサによると一夜で1,000ドルは稼いでいたとか。彼女は客を上等な酒とご馳走でもてなし、或る時は合衆国独立記念日のパレードに消防車で参加し、その横を常連客がホレボレと付き添ったらしい。現代の有名な娼婦と言ったらきっと今頃マイスペのフレンドをどれだけ増やせるかなんてコトに夢中で、パレードなんて全く興味もないコトだろう。そう考えると、昔の素朴な時代が懐かしく思える。

ちなみに現在と旧西部の娼婦の違いをもう1つ挙げるとしたら、なんだと思う? そう、ドラッグだ。それも上質のヤツ。今の娼婦はコカイン欲しさで働いているみたいだけど、当時の娼婦はアヘンチンキ、つまり液体状のアヘンで完全にラリってた。さあ、次の内のどちらにブチ込みたいと思う?:スピードでガリガリに痩せ細ったキズだらけのアバズレか、それともフワフワの綿の中でオネンネしてる気分になってるアヘン中毒のデカパイ姉ちゃん。

女性のいない中で、ムラムラしたラリホー野郎がわんさかいるっていう意味では、旧西部は牢獄みたいな場所だった。でも、だからと言って『ブロークバック・マウンテン』みたいなヘナチョコ・ホモワールドが繰り広げられていたと思ったら大まちがい。当時の鉱山労働者は完全にホモってことをカミングアウトしていて、時にはスカートをはいて他の労働者をダンスに誘ったりするヤツもいたらしい。

もちろん、カミングアウトしていない労働者だってどうにかイライラの発散が必要となってくる。例えば、或る時2人の男が決闘することになったが、なぜか銃のかわりにホースでお互いを水浸しにし、しまいには泥の中で泥まみれになりながら取っ組み合いしたって言い伝えもあったりするくらいだ。それって、オカマを掘るよりよっぽどゲイだぜ。

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