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DOS & DON'TS
THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE
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![]() ![]() ハイチは西インド諸島で一番貧しい国。首都ポルトープランスには、世界で最も荒廃したスラムが存在する。2年ほど前、セルビア人カメラマンのミロシュと、フランス人の人権運動家、ルル、そして映画監督のアスガー・レスは、ドキュメンタリーの撮影のためにハイチを訪れ、そこで6ヶ月間を過ごした。そこで彼らは、その頃の大統領だったアリステッドの私兵、シメール部隊に入り込んだんだ。俺たちはアスガーに話を聞くことができた。
アスガー・レス:アリステッド元大統領とその側近たちから、直接指令を受けて動いてた私兵部隊だよ。ほとんどの独裁政権で見られるような暴力的な軍隊と似たようなものだけれど、トントン・マクート(ハイチの元独裁者、パパ・ドックの秘密警察)よりあらゆる面で数倍怖かったね。なぜかというと、少なくともトントンは一目見てすぐわかるような目印を身につけていたから。奴らは全員黒いサングラスをかけてた。 マジ、サングラス? だからってなんでそんなに怖いんだ? それはいいとして、アリステッドの軍はそういう目印を身につけてなかったんだろう? ということは、そこらを歩いてる誰もが軍のヤツらだという可能性があるってわけだ。とりあえず、写真に写ってる人々について教えてくれよ。 僕たちのドキュメンタリーの中心にあるのは、トゥパックとビリーっていう兄弟が率いてたギャングなんだ。彼らはアリステッド元大統領を護衛してた。カンニバル軍に対する最後の砦を守ってたんだ。カンニバル軍ってのは、元大統領を打倒しようとしていた山岳地帯にいる反政府グループだよ。 この写真に写ってる人たちはみんな命を投げ出して戦ってた。元大統領が国民を置いて逃げてしまうんじゃないかって疑いながらも、ヤツのためにみんな戦ってたんだ。そして、やっぱりヤツは一人だけ亡命してしまった。 君たちについてはみんなどう思ってた? 僕たちがそこにいたことを誰もがすごく喜んでくれたよ。それ以前にもスラムの人々について記事を書く人はいたけれど、実際にスラムに入り込んで暮らした者は誰一人いなかった。想像してみてくれ。もうすぐ死んでしまうんだろうって何となくわかっている10代後半の自分。みんな自分の人生を誰かに伝えて欲しいと願ってた。そこにいたヤツらは、今はもう誰一人生きてない。 そこで何があったの? 実際は反政府軍たちと平和交渉をして、みんな銃を下ろしたんだ。ところが、その後やって来た突然の平和に、彼らはどう反応していいのかわからなかった。 ![]() つまり? お互いに向き合って、仲間同士で殺し合いをしようとしたんだ。理由はわからない。 理由を推測できる? こんなひどいスラムに住んでることと関係あるんじゃないかと思う。住民たちは、お互いに緊迫した関係の中で暮らしている。でも彼らの環境がそれにフタをかぶせてるんだ。そこへ周りのプレッシャーがなくなると、個人的な問題が一気に噴出する。文字通りね。 写真の女たちの顔についてる白い粉は何? 小麦粉だと思うけど確かじゃない。何かの魔術に使ってるんだ。ゲデを祀るお祭りにね。かなり狂気じみてる。女たちはまるで何かに取り憑かれたかのようになる。 へその緒がついたまま逆さになってる赤ちゃんの写真があるけど、これは何なの? 出産だよ。彼らはこうやって子どもを産むんだ。トゥパックのへそは大きいだろう? 彼もこうやって産まれたからだ。そのせいで、出産の時へその緒が雑菌に感染してしまう。でも、あのスラムじゃ普通のことさ。 この女とトゥパックの間には何かあったの? ルルのこと? 白人の女の子? 彼女は人道援助組織で働いてたんだ。トゥパックとビリーは彼女のことが好きだったんだ。彼女とトゥパックは短い間付き合ってたよ。 変な言い方かもしれないけど、この写真では、何だか彼女はスラムの世界に飲み込まれてるように見える。陳腐な言い方かな? 周りに飲み込まれてるような気がした? たぶん。わからないな。でも、ミロシュが撮影を止めて、一緒にいたヤツらと同じように銃を持ち歩き始めたことがあった。それがスラムの人間にとって“仇”となる行動だと彼にわからせるのには、かなりの説得が必要だったよ。僕は、自分たちがハイチのスラムの人間のためにできることは彼らの話を伝えることだと思ってるし、実際、それができたと思ってる。 戦いは終わってたのに、なぜ2人の兄弟は死んだんだ? 彼らは革命を生き抜いたし、反政府軍との休戦は続いてたんだ。でもその後……約束は守られなかったと言ってもいいのかな。その後の新しい政権の下で彼らは死んでったんだ。 トゥパックとビリーは、根本的に大きく違ってた:1人は、大統領を信じて戦い続けたがっていた。そしてもう1人は、戦いをやめてラッパーになりたがっていた。あんな過酷な状況から世界へ出て有名になったハイチ人って、ワイクリフ・ジョンたった1人だって知ってるかい? 彼はトゥパックのヒーローだった。もしワイクリフが自分の音楽を聴いてくれたら、ゲットーから抜け出せると彼は信じていたんだ。そして、それはもう少しで可能だった。あとちょっとで彼は自分の夢を叶えることができていた。でも、彼は最後にもう一度だけと言ってゲットーへ戻ったんだ。彼とビリーが撃ち合いの後、和解してからのことだった。ビリーがトラブルに巻き込まれたから、トゥパックは彼を救うためにスラムへ戻った。そして、そこで殺されたんだ。
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