ピスド・ジーンズはやりすぎなほど色んなことをやってるヤツらだ。しょうもないことでワーワー叫んでるかと思えば、ギター/ベースソロばっかりのライブをやったりする。そのせいか、彼らの評価はいつもキツいものばかりだ。でも、そのやりすぎ具合が良い感じに混ざり合い、マニアの中では“最高の曲”として語り継がれている。実際彼らに会ってみると、意外と普通のヤツらだったから安心した。今回はボーカルのマット・コルベットと、仕事のことや地元のこと、それから女やボディ・カウントのことなど、普通の男子が話すような話題で盛り上がった。
Vice:つい最近、ボディ・カウントとライブしたらしいね?
マット・コルベット:そうそう。やったのがでかくて最悪なクラブで、俺たちが着いた時にMTVスタイルのエモ系のショーが終わったところだったんだ。プロモーターのところに行くと、いきなり、「エモのショーは終わりだ! ボディ・カウントを見に来たんじゃねーなら、とっとと帰れ!」って怒鳴ってきた。俺たちは、ボディ・カウントの追っかけみたいに汚い格好をしてなかったからかな。でもヤツらのライブは最高だったよ。アイス-Tはブッシュはゲイだと叫んだり、マイ・ケミカル・ロマンスをバカにしてた。
度胸あるじゃん。奴にやじをとばすような化粧の厚い十代の共和党支持者がいなかったのがビックリだね。
他のバンドも最悪だったけど、それはそれで良かったと思ってる。6バンド中3バンドはゴーゴーガールズ付きのライブだったし。他にはナチスっぽいヤツもいたな。不思議だったよ。
アレンタウンからはよく出るの?
時間があれば出るけど、仕事があるからな。ベッドルームが8個もある家で、ワキ毛ボーボーの奴らとバイクカルチャーの中で生活するのは嫌だし。分かるだろ?
分かるよ、始終誰かに抱きしめられてる感じだろ。それより仕事って?
保険会社で保険金の請求調査員の仕事をやってる。例えば、あんたの父親が仕事もせずのらりくらり生きてるとする。彼は腰が痛くて身動きがとれないから、早く鎮痛剤の補充をしてくれとクレームを出してたくせに、庭の芝生を刈ってるところを見つかってしまう。そこで、俺が電話をして事情を追求するんだ。大抵はむこうが逆ギレするから俺は怒鳴られっぱなしだぜ。
キツイな。他の苦労話は?
俺が関わるのはほとんど低所得者で、自分の置かれている状況が嫌になった挙げ句、簡単な逃げ道を探してるようなヤツばかり。例えば、会社の奥の部屋にある山積みの段ボールの裏で、誰にも見られていない時にぎっくり腰になったとか言って金を請求したり。
それであんたは、それを見て見ぬ振りするの?
知るかよ。騙されようが、俺が捕まえられようが、俺の給料は一緒だからな。
あんまりツアーに行かないのは、あんたが組織の歯車の一部だからってことか。ナイス。
ツアーは単に、地元で起こる本物の出来事の前触れにすぎない。前のツアーの時は、早く帰って知り合ったばかりの女に会いたかったんだ。でもその何週間か後、彼女は俺のことをもっと理解するために、俺が何時何分何秒に生まれたか知りたいって言い出したんだ。まぁ、それが原因で彼女のことは嫌になっちゃったけど。
ゲーッ。
しかも彼女は霊能者だった。ピスド・ジーンズの響きがレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンに似てると思ったらしい。最初から変な女だってのはわかってたんだよね。
RYAN DUFFY
ピスド・ジーンズのニューアルバム『Hope for Men』は〈Sub Pop〉から発売予定。