DOS & DON'TS




THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE








Photo by Andrew Laumann





ハイハイ、また妙な格好をして、おかしなパフォーマンスアートみたいな音楽をやってる女が登場したと思ってるだろ? いや、真面目な話、ほんとにいいんだぜ。何だよ、“ピーチズもどき”はもうダサいって? 小人みたいなフレンチカナディアンの女が陰毛についてラップしたからって、女が面白くてクリエイティブなことをステージでやるのは許されなくなったってのか?

じゃあ、こう考えてみな。変な髪形をした4人の男とベースを弾く女が、ステージでそれぞれのパーソナルエリアをフニャフニャのステップを踏みながらぐるぐるまわっているのと、おかしなメイクをしてよれよれの『アニー・ホール』の衣装を着た女が自分の妊娠を知り、家に帰ると生まれた子供はスーパーの袋に入った電球で、そいつが話すたびにピカピカ光って彼女を悪夢に引きずり込み批判し始める(しかもそいつには中西部訛りがある)のと、どっちがいいかと聞かれたらどっちを選ぶ?

俺たちなら後者を選ぶね。その女がヒッピーに育てられて、『サタデー・ナイト・ライブ』から芸名をつけたとしても。でも、ダイナスティ・ハンドバッグの場合は、サタデー・ナイト・ライブから勝手に名前をとったりはしてないけどな。

Vice:あんたと、『サタデー・ナイト・ライブ』に出てくるダイナスティ・ハンドバッグって名前のキャラクターは何か関係があるわけ?

ジブズ・キャメロン(ダイナスティ・ハンドバッグ):
1年半くらい前から、『サタデー・ナイト・ライブ』があたしの名前を勝手に使い始めたの。アップライト・シチズン・ブリゲイト・シアターってとこでクラスをとってたんだけど、その時の先生が『サタデー・ナイト・ライブ』の関係者をたくさん知ってたんだ。で、「私、ダイナスティ・ハンドバッグって名前で長いことやってきてるんですけど、これって変わった名前だから、『サタデー・ナイト・ライブ』が何でこれと同じ名前を思いついたのか疑問なんです」って軽く聞いてみたのね。そしたら先生、「ああ、あいつら何でもパクるんだよ。インターネットで面白いことをやってる奴らを見つけては、勝手にアイデアを盗んでる」だって。

ひでえヤツらだね。高校で誰かが飲んでたジュースを取り上げて「何だよ、文句があんのか」って言うようなヤツらと同じ。

まあね。使用停止を求める文書を送っといたわ。あたしはこの名前でもう6年もやってるのよ。ダイナスティ・ハンドバッグって名前のグラスファイバーでできたユニコーンの置物を作ってる会社をやってるのとはわけが違うわ。あたしはコメディ/パフォーマンスっていう、ヤツらと同じようなことをやってるんだから。「『サタデー・ナイト・ライブ』に出してもらいな」ってみんなは言うけど、あんなバカな番組絶対出たくない。

生い立ちがちょっと変わってるらしいけど、それについて話してくれる?

うちの両親は本当にだらしない人だったの。父さんはもう死んじゃったけど、ドラッグ中毒でワスプだった厳しい家族から逃げようとしてたのね。父さんと母さんはちょっと頭のおかしいアート系の人間が集まった、メリー・プランクスター(サイケデリック・ヒッピー集団)タイプのコミュニティで知り合ったの。

みんなそこで何やってたの?

ドラッグよ。そこには乱交でできた子供がウヨウヨいたみたい。どの子供も半分誰かと血が繋がってたの。あたしにも母親違いとか父親違いの兄弟が20人はいるし、その全員をちゃんと知ってる。その上、ほんと貧乏だった。家の中に何も食べ物がないくらいの貧乏。でも時々、父さんがどこかからいきなり大金を持ってきて、新車を買ったり、ヒゲを生やしたどっかのおっさんたちと一緒にヨークシャー・プディングを食べたりしたことがあったな。でもそういうのも長くは続かなくて、すぐに生活保護を受けるような状態に戻ってた。

じゃあ、親はかなりいっちゃったヒッピーだったんだ。よくフォルクスワーゲンのコマーシャルに出てるような、“私たちが戦争をやめさせました”的な真面目なヒッピーとは違って。

たぶん、うちの両親みたいなヒッピーたちは、自分たちが育った時の厳しい規律に対して反抗してただけだと思う。規律なんか何にもならないって。それも理解できないわけじゃないけど、その結果、あたしみたいに戸籍もないような子供たちがたくさんできちゃったのよね。

戸籍がないの?

最近までなかったの。だからすごい苦労して昔の書類とかを調べなくちゃいけなかったんだけど、何もかもがウソだったってことがわかった。全て偽造書類だったのよ。人がせっかく一生懸命そういう難しいことを整理しようとしてるのに、出てきた書類が全部滅茶苦茶で、何にも手がつけられない状態だなんて最悪。あたしはただ単に、確定申告をきちんとしたいだけなの、わかるでしょ?

DERRICK BECKLES
ダイナスティ・ハンドバッグのデビューアルバム、『Foo Foo Yik Yik』は、〈Lovepump United〉から発売中。ああ、それと、dynastyhandbag.comで彼女のシングル“Soup Eyes”のプロモーションビデオも今すぐチェック。このビデオを面白いとか素晴しいとか思わない奴は、俺たちの友達にはなれないぜ。