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DOS & DON'TS
THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE
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(A)AZITHROMYCIN/アジスロマイシン ロシアは腐ってる。未だに有鉛燃料のオンボロ車が走っていたり、ソビエト時代のゴミが何十年も溜まりっぱなしらしいから、無理もない。ヨーロッパ諸国で最も大きい都市であるモスクワは、一番汚い都市でもあるのだ。天気はいつも寒く湿ってるのに対し、室内はありえないほど暑い。食べ物は、マズイを通り越して危険だったりする(例えば昨年2月、なんと炭素菌入りの肉が見つかったらしい)。でもオマエがロシアで病気にかかったとしたら、それは環境のせいじゃない。オマエのせいだ。なぜかって? それはモスクワ人ってのはすごいパーティー好きで、何日間もブッ通しで遊び続ける傾向があるから、つい釣られて一緒に遊んじゃうんだ。しかもロシア人はコンドームなんてショボイ物は使わない。 そんな時、頼りになるのがアジスロマイシン。この原子爆弾のような抗生物質は、喉の奥からチンコの先まで、体内に潜むウイルスや微生物を全滅させる効果がある。しかも副作用はほとんど無い。アメリカでは医者に処方してもらわないとなかなか手に入らないのだが、ロシアではそこら辺のアプテカ(薬局)に行けば15ドルで手に入る。 もし週末遊びすぎたら、症状が出てなくてもアジスロマイシンを1錠飲んでおく事をオススメする。西洋だと、むやみに抗生物質を飲んでたら、そのうちどんな薬でもビクともしないスーパーウイルスが登場するんじゃないか、とやたら心配する。でも知ったことか。ハイで性欲を抑えられないがあまり、クラブで拾った女の子とコンドーム無しでヤッちゃったオマエにしてみれば、きっと変な病気にかからないよう万全を尽くす方がよっぽど重要だろう。
![]() photo by AP (B)BLYAD’/娼婦 ロシア人男性とつるんでいると、よくこの言葉を耳にする。たぶん“えっと”的な意味なんだろうなって思うハズ。確かに、言葉と言葉の合間に発するっていう点では似てるかも。でも、実は“ブリヤド”とは“娼婦”という意味もある。つまり、スゲエ意味のつなぎ言葉って事だ。 例えばロシア人の男はこんな話し方をする:「昨日さ“娼婦”、ボルショイ・バレー団の“娼婦”券を買おうと思ったんだよね。でもさ“娼婦”クソ店員によると“娼婦”いい席がもう無いらしいんだ」 考えてみれば、ロシアは娼婦が多い上に、娼婦売買はレッキとしたビジネスとして成り立ってるから、この言葉が日常的に使われるのも無理は無いかも。 ちなみに“B”は“バブーシュカ”(おばあさん)の“B”でもある。ブリヤドはいずれバブーシュカになるのだが、ロシアの婆さんはとにかくヤバイ。容赦なくジロジロ見てくるし、地下鉄の駅ではドシドシぶつかってくるし、もし彼女たちの前で英語でもしゃべったらきっと「スターリンは英雄だ!」なんて叫びながら殴りかかってくるに違いない。でもバブーシュカが作るスープは最高だ。
![]() (V)VODKA/ウォッカ 今まで会った若いロシア人(特に女性)は大体みんな「ウォッカなんて最低」と口を揃える。そして、ジンやウィスキーしか口にしないと言い張る。でもそんなの全部ウソ。実際、ロシア人はバケツから一気飲みをするくらいのウォッカ好き。ただ、きっと典型的なロシア人と思われたくないが為に、なぜか外国人にウソをつくのだ。 今一番うまいウォッカはラスキー・スタンダード・プラチナ。このブランドはラスタム・タリコという金持ちが所有するもので、オレ達が仲良くなった小金持ちロシア人は皆このブランドを好む。だからもしバーでウォッカを注文するなら、これでいけ。きっと酒を知ってる人っぽく見られるから。 注意点:ロシア人は開いたボトルには絶対蓋をしない。だからもし誰かとウォッカを飲み始めた場合、相手が誰であれ(友達、同僚、顧客、大家、警察、などなど)、必ず最後まで飲み干さなければいけないので、ご注意を。
![]() (G)GOGOL/ゴーゴリ ニコライ・ゴーゴリは世界中で愛されるロシア文学のスター的存在。彼は素晴らしいロシア人作家の第一人者だ。ドフトエフスキーでさえ「ロシア文学の原点はゴーゴリの『外套』である」って言ってるんだぜ。ドフトエフスキーって誰? なんてホザいてる野郎へ:あの偉大なロックバンド、〈ザ・フォールズ〉のマーク・E・スミスもゴーゴリの大ファンらしいぜ。どうだ、参ったか? ロシアという国を理解したいならゴーゴリを読むべきだ。彼の代表作品、『死せる魂』は崩壊寸前のグロテスクなロシアの生活をオモシロおかしく描いたもの。ロシア知らずの外国人がこの本を読むと、まるで大げさな風刺を読んでいるような印象を受ける。だが実際ロシアに2秒でも足を踏み入れれば、この本はロシアの現実を驚くほど完璧に捉えてるということに気付くだろう。ちなみに『死せる魂』は登場人物が皆悪人という、文学では稀な本なのだが、ゴーゴリはこれを書き終える頃には相当頭がイカレていたらしい。続編を10年間ほど書き続けたあげく嫌気がさした彼は原稿を燃やし、そのまま何も飲まず食わずで9日後に死亡。全くおかしな野郎だ。 (D)DYEVUSHKA/女 魂と言えば、ロシア語で魂はdusha (デューシャ)。ウワサによると、ロシア人の魂は奥深く、外国人は到底及ばないらしい。ほら、チャーチルだって「ロシアとは謎の中の謎に包まれた謎である」って言い残してただろ? ロシアってのは意味不明なんだ。 でもハッキリ言ってロシアの魂なんてどうだっていい。それよりもっと大切な“D”がある。Dyevushka(ジェヴシュカ)、つまり“女”。皆知らないだろうけど、ロシア人の女の子はメチャメチャ可愛い上に、どんなにエロい注文にも応えてくれる素晴らしい生き物なのだ。 (E)EGYPT/エジプト ロシア人が真剣に遊んでる姿を見たいなら、エジプトに行け。エジプトはロシアで人気ナンバー・ワンの旅行地だ。 ロシア人は肌の色が濃い人種をおおっぴらに差別する。あと、ただでさえ地元でも遊びまくってるのに、旅行中は更にパワーアップし、ありえないほど飲んでヤッて暴れまくる。この2つの要素を同時に爆発させる場所といえば、やっぱりエジプト。ほらみんな、エジプトでロシア人観察でもしてみるか! (Yo)YOLKA/クリスマスツリー ヨールカとはクリスマスツリーのこと。ロシアは旧暦のカレンダーを未だに使っているらしく、クリスマスは12月25日ではなく1月7日にあたるのだとか。だから大晦日くらいからクリスマス・プレゼントの買出しに行くらしい。 ちなみに新年も12月31日だけじゃない。旧暦の新年は1月13日だから、2回新年を祝うのだ。 というワケで、毎年ロシアは12月31日から1月14日まで急性アルコール中毒、レイプ、そして失火事件が相次ぐ大騒ぎ。だから去年、政府は1月1日から10日までの10日間を国の休日にしちゃったらしい。まあ、しょうがないよね。
![]() photo by AP (Zh)ZHIRINOVSKY/ジリノフスキー ソビエト連邦が崩壊寸前の頃、ウラジーミル・ジリノフスキーは極端な愛国主義者として名を広めた。1993年に行われたソ連崩壊後初めての議会選挙では、彼のロシア自由民主党(笑えるだろ? 自由なロシアだとさ)が圧倒的勝利を見せた。その後、ジリノフスキーは敵を原子爆弾で脅し、アメリカからアラスカを奪い取る事を国民に誓い、ロシアのゴミ処理問題の解決案としてデッカイ扇風機でドイツまでゴミを飛ばそうじゃないかと真面目に提案し、ロシア軍が“暖かいインド洋でくつろげるように”イランを占領しよう、なんてありえない発言を次々と連発。終いには、なんと『プレイボーイ』誌に下着姿で登場。 ちなみにジリノフスキーはサダム・フセインの大親友。イラクの独裁者であるフセインは石油・食料交換計画を通してロシア自由民主党に何百万ドルも投資し、お礼に、ジリノフスキーはロシア国会をうまく操って親フセイン路線を取らせ、アメリカを非難し、イラクにアメリカ爆撃を呼びかけた。 だが、数年前、スキャンダルが発覚。ジリノフスキーの政党のメンバー(ほとんどがワイロで当選したようなろくでもない野郎ども)は派手な遊びが好きらしく、なんとしょっちゅう国会の建物でパーティーを開き、暴れすぎで壁に穴を開けたりしてたのだ。そればかりではない、ガードや掃除人によると、テーブルやソファーには血、針、嘔吐物、そして人間の糞が山積みになっていたらしい。 今年、ジリノフスキーはコンドリーザ・ライス米国務長官に対して暴言を吐き、アメリカのメディアをにぎわせた。このありえない発言を聞いて驚け:「ライスさんがロシア嫌いなのは理由があります。彼女は残酷で常にイライラしている。それに明らかに欲求不満です。ライスさん、少し我が国の兵隊と遊んでみてはどうですか? 兵舎に何泊か泊って、満足がいくまで満たされるべきです。まあ、でも彼女の場合少々年配ですから満たされるかどうかは別問題ですがね」 (Z)ZAGS もしオマエがアメリカ人男性で、ロシア人の女と結婚する場合、オマエたちはソ連時代から続いているZAGSというクソ政府機関に婚姻届を出さなきゃいけない。まあ、しいて言えば市役所のムカつく公務員と長い待ち時間を100倍悪くした感じかな。 ZAGSの手続きが終わったら、他のカップルと共に少し観光でもするといい。クレムリン宮殿にある“無名戦士の碑”に花を添えてみたり、赤の広場でおちゃらけた写真を撮ってみたり。その後は結婚パーティー:みんな吐くまで強制的に飲まされる。そしてようやく花嫁とアメリカに帰国だ、なんて喜ぶのもつかの間。きっと彼女はすぐさま新しいアメリカ人のボーイフレンドをたくさん作り、姿をくらますだろう。 キャビア ![]() photo by AP (I)Ikra (Caviar)/キャビア ロシアはUN(国際連合)の規定を平気で無視する。例えば、UNは絶滅寸前のベルーガ(オオチョウザメ)のキャビアの販売を禁じている。コイツらの卵を食っちゃったら、赤ちゃんベルーガがいなくなっちゃうからね。でもロシア人はそんな事全然気にしない。「だから?」って感じ。 ヨシュカル・オラ ![]() photo by Kommersant (short I)Iyoshkar-Ola/ヨシュカル・オラ ヨシュカル・オラとは、ボルガ川に面するロシア連邦マリ・エル共和国の首都。ただでさえロシアは気が滅入るようなむさ苦しい都市だらけなのに、ヨシュカル・オラは驚くことにそれらをはるかに上回るほど悲惨なクソ都市なのだ。 地元の住民もそう思ってるらしい。だからマリ・エル共和国の自殺率が世界一なのも無理はない。研究者たちは、きっと何らかの文化的な理由で自殺率がありえない程高いんじゃないか、と考えている。確かに、マリに住むフィン・ウゴル民族はフィンランド人の血を引いていて、フィンランドの自殺率も異様に高いのだ(同じフィン・ウゴル民族が住むハンガリー、エストニア、そしてウドムルト共和国も同じく自殺好き)。だがマリの自殺率はフィンランドやハンガリーの3倍近く、人口がたったの750,000人なのに、毎週自殺が17件もあるのだ。 他の専門家によると、自殺率が高いのはマリ人が未だに異教を崇拝をしているからだとか。実際、マリ・エル共和国では数百年前からずっとシャーマニズムの儀式が日常的に行われ、今ではヨーロッパ諸国で唯一キリスト教以外の異教を崇拝する国なのだ。 でも、本当の理由はいたって簡単:とにかくマリ・エル共和国は、ヨーロッパ系ロシア地域で最も貧困でショボイ国なんだ。だからボットン便所のようなヨシュカル・オラに正気な人間が住めば、誰だって窓から身を放り出したくなるってワケ。
![]() photo by AP (K)Kalashnikov/カラシニコフ銃 世界を虜にした唯一のソ連の発明が、このAK-47自動小銃。考えてみろ、やっぱアメリカのM型軽機関銃よりカラシニコフ銃の方がはるかにイカす。金持ち政治家にうけるように作られたピカピカのM-16軽機関銃に比べ、カラシニコフ銃は戦場のホコリや泥に耐えられるような、タフな武器なのだ。市場を見れば一目同然:ソマリア共和国はカラシニコフ銃を大量に違法生産しているらしい。こいつらがM-16に切り替える日までは、とりあえずカラシニコフの圧勝だな。 ルビャンカ ![]() photo by AP (L)Lubyanka/ルビャンカ ソ連が崩壊し、エリツィンが大統領に任命された頃、皆これでKGB(ロシアのCIA)ともオサラバだと思っていた。群集はNKVD(KGBの旧名)の創立者、フェリックス・ジェルジンスキーの銅像を引き倒し、一旦幕が閉じた。 その後、KGBはFSBとして生まれ変わった。だが名前を変えれば変えるほど、実際は何も変わっていないのだ。KGBはまだ生きているし、ロシアは未だに自らの保安機構に支配され続けている。何せ今のプーチン大統領は元KGB中佐であり、大統領に就任した1999年まではFSBのトップで働いていた男だからね。 実際、プーチンが大統領になってからロシアは以前より恐ろしい場所になったと言う住民も多い。例えば、モスクワのど真ん中にあるFSB本部〈ルビャンカ〉は、〈チルドレンズ・ワールド〉というオモチャ屋に面しているにも関わらず、中ではかなりヤバイ事が起きているらしい。 〈ルビャンカ〉の地下室では多くの大物政治家が処刑されている。例えば、ホロコースト中に何人ものユダヤ人を救出したスウェーデンのヒーロー、ラウル・ワレンバーグだったり、スターリンの敵であるブハーリン、カーメネフ、そしてジノビエフなど。もともとスターリンと共に、政府内外のクセ者を容赦なく殺害する“大粛清計画”を設立した部下のヤーゴダまでもがそこで殺された。ヤーゴダの跡継ぎである小人のエジョフも、やはりそこで死亡。っていうか、大粛清時代の〈ルビャンカ〉では朝から晩まで何人も処刑されてたから、夜は悲鳴や銃声が近所に洩れないように建物の周りにトラックを待機させ、エンジンをブンブン鳴らさせてたのだとか。 警察 ![]() photo by AP (M)Menti, Militsia, Musor/市民軍、警察、クズ この3つの言葉は全て“警察”を意味する(俗には“クズ”と呼ぶそうだ)。コイツらは冷血なKGBとは違い、主な仕事は人から金を奪い取ること。例えば、交通巡査はいろんなクダラナイ理由(「車が汚れすぎ」とか)で車を脇に寄せ、運転手に2つの選択肢を与える:大量の事務処理と、長い待ち時間が伴う市役所で正式に罰金を納めるか、それともその場で警察に直接お金を渡すか、だ。金額は大概5ドルから20ドル(もっと高い事もある)。 去年、モスクワで2人の交通巡査がワゴン車を停め、運転手に100ドル払え、と命令した。ちょうど現金を持ち合わせていなかった男を2人は後部座席に引きずり込み、手錠をかけてからボコボコに殴り、そのままワゴンで1人の兄の家へと向かった。その間、彼らは酒を買い、ワイロの金額を100,000ドルに引き上げたりと、結構楽しんでいた。だが不運な事に、彼らは途中で同じ手口を使う他の同僚に車を停められた。2人は同僚に事態を説明し、一緒に金儲けしようぜと誘った。だが相手は全く乗り気でない。仕方無く、彼らは同僚を射殺したらしい。 ロシア警察は特に外国人をターゲットにするらしい。一番金になるのが違法滞在者。あとは麻薬所持者(たまにむこうから麻薬を仕掛けてくる事もあるから注意しろ)。この場合、100ドルから1,000ドル以上ボッタくられる。 でもハッキリ言って、金を払って一件落着できるならラッキー。もしオマエがワイロ金を払えなかったり、コーカサス山脈に住む移民だったり、又は警察側が酔っていたりすれば、おそらく気を失うまで蹴られるに違いない。2004年にはなんとウラル地域の町、ブラゴベシチェンスクで、15歳から30歳の男性1,000人が大勢の警察によって拷問されたらしい。犠牲になった男の中には、ベビーカーを押して散歩をしていたパパとかもいたんだぜ。ヤバイだろ。 (N)Nyegr/ニグロ ロシアを知らない人は、きっとロシア人が黒人に面と向かって“ニグロ”って呼ぶことに抵抗を感じるだろう。でもロシアではこれが普通。黒人だってお互い“ニグロ”って呼び合ってる。 Nyegrはもともと英語のNegro(ニグロ)からきたもの。実際、ロシア語で黒人を指す言葉はコレしか存在しないのだ。大体、ロシアにいる黒人ってのはアフリカに帰りたくない留学生がほとんどだから、“アフリカ系ロシア人”なんて使いたくても使えない。そんな人種、存在しないからね。それに“黒人”(ロシア語でchyorni)って言葉はコーカサス山脈の田舎者を指す差別用語だから、これもダメ(正確に言うと、彼らは“黒いケツ”と呼ばれているらしい)。そう考えると“ニグロ”で丸くおさめちゃえばいいじゃんってなるよね。 黒人にとって、ロシアの生活は良くも悪くもある。一方では、黒人を狙うロシアのスキンヘッドは東ドイツが楽園に思えるほど狂暴だが、その反面、アフリカ人男性はダンスがうまいからロシア女性にモテるのだ。マジで。だからアフリカ人男性はカバナ・クラブやカーマ・バーで遊ぶ事をオススメする。でもタクシーを降りたらダッシュするように。スキンヘッドや警察に捕まったらヤバイからな。 ロシアのクラブは高い。だから多くのアフリカ人は黒い肌を利用して、レストランで金を稼ぐ。例えば、レストランの受付でおサルの着ぐるみを着て、年配のロシア人にジロジロ見られるバイトとか。そんな恥かしいことはゴメンだ、なんて奴はドラッグのディーラーになる手もある。実際、ロシアではアフリカ人ディーラーが一番上質のヘロインをサバいてるらしい。 (O)OLIGARCHS/オリガルヒ この古代ギリシャ語は、ロシア人が流行らせるまでは左翼に対する差別用語として使われていた。だが今では、オリガルヒと言えば“大金持ち”。 1990年、有力なコネを持ったビジネスマン数人がオークションを不正に操作し、ロシア最大の公共資産を手に入れた。そのうちの一人、ウラジミル・ポタニンは、世界の白銅貨の3分の1、白金を70%所有する会社を買い取ることに成功。当時年間利益が20億ドルだった会社をたったの1.7億ドルで買収したウラジミルと仲間たちは、一瞬にして億万長者となったのだ。 そうともなれば、とりあえずグループ名が必要(一番ふさわしいのは“卑怯者”だろうけど、あまり万人受けしないからね)。最初はロックフェラーやカーネギーみたいに尊敬されているアメリカの大物を真似て、“泥棒男爵”というグループ名にしてみた。だが、実際のアメリカの泥棒男爵はゼロから企業を立ち上げて大成功するのに対し、ウラジミルどもは既に存在する企業を汚い手口で買収しただけだから、名前を変更するべきだという苦情が相次いだ。 そこで、彼らは開き直った。「オレ達はロシアの経済、社会、そして大統領をコントロールする力がある。だったら派手な名前で行こうぜ!」ってね。で、ロシアのオリガルヒが誕生したってワケ。ちなみに『フォーブズ』誌の調査によると、モスクワは世界一億万長者が多い都市なのだとか。 でも最近はオリガルヒも気楽じゃいられない。未だに大金持ちで、気楽な生活をしてるオリガルヒはいるけど、もし一歩でも間違えればプーチンによって国から追放されるか、牢屋に放り込まれるか、殺されるぜ、というウワサが飛び交っているのだとか。 プーチン ![]() photo by AP (P)Putin/プーチン ピカソ同様、プーチンは身長がたったの165cmなのに、なぜか女の子にモテる。プーチン政権の刑務所には女性が多く収容されてるのもこのせい? プーチンは昔、政府官邸で部下として地道に仕事をしていた。だが1999年、エリツィン政権はパニック状態に陥っていた。選挙に負けてそのまま国から追放されたり、裁判にかけられたらどうしよう、と。そこで、彼らはFSBで働いていたプーチンを就任させると同時に、そこら辺のアパートを爆破し、チェチェンのテロリストの仕業だと言い張った。この事件によって高まった国民の反イスラム教熱をうまく利用し、プーチンはチェチェンを攻撃した。案の定、無名だったプーチンの支持率は一気に70%にも上り、それ以来、驚異的な人気度を維持し続けている。 なぜプーチンがそこまで人気があるかって? まず、アル中のエリツィンとは違い、プーチンは酒を飲まない。次に、90年代にロシア中を混乱させた“民主的選挙”と“自由なメディア”を廃止した(ちなみに、エリツィン政権の終わり頃には自由もクソも無いほど社会が堕落してたから、最初からこんなもの存在しなかったって言った方が正しいんだけどね)。そして最後に、プーチンはエリツィンのようにアメリカに媚びない。 もう1つ、ロシア人がプーチン好きである大きな要因がある。石油だ。アメリカの多国籍企業がどんなに膝間づいても、プーチンはロシアの石油を手渡そうとしない。以前、ロシアの石油会社のホドルコフスキー社長が、アメリカの石油会社、〈エクソン〉と〈シェブロン〉と提携を結ぼうと頑張っていたのだが、プーチンは容赦無く邪魔に入り、契約を破棄。今、アメリカはプーチンを“2代目スターリン”と呼んでいる。まあ、ロシアにとってみればアル中のオッサンよりイカれた独裁者の方が緊張感があっていいのかも。プーチンの任期は2008年までらしいが、果たして大統領の座を素直に引き渡すかどうかは気になるところだ。 (R)Rublyovka/ルブリョヴカ 週末になると、ロシア人は田舎の邸宅で休養を楽しむ。ちなみに邸宅と言っても、大概は狭い土地にあるボロ家の事。そして休養と言っても、結局は住み心地が最悪な家を苦労してリフォームしたり、いつまでたっても大きくならないトマトやキュウリを地道に植えたりする事を指す。でも最終的には酒飲み大会で終わることがほとんど。 でもお洒落なルブリョヴコ・ショッセに建つ邸宅はちょっと違う。ハッキリ言って土地自体は全然大したことない。ヨーロッパ系ロシア特有の樺の木だらけの平原が永遠と広がるだけなのに、なぜかロシア人はこの土地を素晴らしいと思っている。そのせいか、小さめな土地でも500万ドルはかかる。その上、建築費も必要。ここに住むオリガルヒやお役人、そして金持ちな犯罪者どもは、なぜかド派手な家が好きらしい。例えば小塔だったり、ギリシャ調の柱、スペイン調のタイル張りの天井、噴水、そしてヘリポートなんかを全部ゴチャ混ぜにしたような邸宅が定番。最近は、裏庭に教会を丸ごと一つ建てるのが流行りらしい。 (S)Siberian Express/シベリア特急 シベリア特急でロシアを横断し、モンゴルや北京まで行ってみたい、なんて夢見るバックパッカーが多い。だがこのクソ列車はそんなに甘っちょろいものじゃない。信じないなら乗ってみろ。 オマエのシベリア特急7日間の旅はこんな感じだ。1日目:出発。オンボロな建物の光景がいつしか樺の木に変わる。同じ車両の酔っ払い男は「アメリカ、グッド? イエス?」と連発。うるさい。2日目:ジャージ姿の酔っ払いが大勢車両に入り込み、うち1人はオマエの荷物の上で気絶。3日目:モンゴル人の商人が大量の安物商品と共に電車に乗り込む。体臭、ウォッカ、そして乾いた魚の臭いがする。4日目:モンゴル人が真剣に飲み始める。そして酔っ払って喧嘩をしだす。車掌に、違う車両に移りたいと頼んでみるが、どうやら金を出さないと無理らしい。仕方無く車両に戻り、貴重品が入った新品のリュックの上で寝る。5日目:カメラが無い。車両には凄まじい異臭が漂い、寝るのも不可能になってきた。少し臭いがマシな通路で、小さな腰掛に座ったまま寝る。だが警官がやってきて、棒で突かれながら「車両に戻れ」と怒鳴られる。戻ると、自分のベッドにモンゴル人の女性と2人の赤ん坊が寝ている。6日目:トイレには糞と嘔吐がそこらじゅうにこびりついている上に、水が流れない。その上、iPodもプーマのスニーカーも見つからない。7日間:もう限界。ハバロフスク辺りで降りると、なんとパスポート、財布、クレジットカード、そして下着までもがパクられてる事にようやく気付く。ここまで来たら母ちゃんに電話して、迎えに来てもらうしか無いな。 (T)Techno/テクノ ロシア人は世界一タフで、世界一ホモ嫌いが多いのに、なぜかホモっぽいヨーロッパ系テクノが大流行している。あのホモ王国のイタリアでさえ、ロシアのテクノ好きにはかなわない。 ウンティ ![]() photo by Kommersant (Oo)Unti/ウンティ ナポレオンやヒトラーは戦争中ロシアに帝国を奪われた。いや、正確に言うと、彼らはロシアの厳しい冬に負けたのだ。もしマイナス50度にもなるシベリアで冬を過ごすなら、ウンティ(鹿皮のブーツ)が必需品。ちなみに外側の毛皮は鹿と犬の両方を使用。 (F)Fireworks and Fountains/花火と噴水 ロシアで噴水を作ってみろ。で、ウォッカ割りでも飲みながら少し待ってみろ。必ず1時間以内に、まるで人間の血を嗅いだゾンビのように大勢のロシア人が噴水に集まってくるから。 ロシア人がなぜこれほど噴水好きかは不明。でもマジで、ロシア人は口を開けたままポカーンと噴水から吹き出る水を見るのが趣味らしい。例えば宮廷のとなりにあるショッピング・センターの小汚い噴水には、毎日大勢のモスクワ住民が群がっている。 あと、なぜか花火も人気がある。モスクワでは毎晩花火の音がする。たぶん“鉄道労働者の日”とかワケわかんない祝日を祝う花火か、又は、愛人の為に金持ち野郎どもが市の役人にワイロを払って打ち上げた花火だろう。 (Kh)Khachi/カーチ これはコーカサス山脈に住むチェチェン人、アゼルバイジャン人、アルメニア人、そしてグルジア人に対する差別用語。例えばオマエがもし地中海人特有の顔立ちをしていたり、目の色が濃かったりすれば、警察には犯罪人扱いされるし、女性には無視されるし、スキンヘッドには殴られるだろう。 ロシア中の犯罪事件は皆カーチの仕業だと白人ロシア人は信じている。確かに、1990年代はコーカサス系のギャングが狂暴な事件を起こしたり、金をたくさん奪い取ったりしてた。だが最近はもっぱら狙われる側だ。でも母国は更に悲惨な状態だから、実は仕方無くロシアに居残ってるかわいそうな民族なんだ。 ツェレテリ ![]() photo by AP (Ts)Tsereteli/ツェレテリ ズラブ・ツェレテリは世界一、いや、人類の歴史上で最も最悪なアーティストだ。彼はモスクワ市長のユーリー・ルシコフの親友なのだが、まあツェレテリのありえないほど巨大で高価格な作品を見れば、なんとなくアホな政治家が気に入りそうだなって気がする。ツェレテリはグルジア人なんだけど、グルジア人ってのは、相手をおだてまくっていい気分にさせながら不正取引をするのが得意。だから、モスクワ中の金持ちがツェレテリに騙されて購入したブサイクな作品が、今や街中に飾られてある。 彼の一番有名な作品と言えば、制作費2,500万円、高さは15階のビル程度の、ピョートル大帝像。こいつはオモチャの船のような乗り物の上に立ち、シャレた帽子をかぶり、片手には船のハンドルらしき物を、もう片手には丸まった地図を握っているというなんともアホらしい像だ。ある時、“ロシア軍事評議会”と名乗るグループが3キロ分のダイナマイトを使ってこの像を爆破する計画を立てていたようだが、あいにく実行寸前で捕まり、テロ犯罪として刑務所入りになったらしい。 ちなみにツェレテリは何度かアメリカでも作品を売ろうとがんばったようだが、失敗に終わった。以前、彼は「コーカサス民族からの贈り物」としてアメリカに高さ100メートルものコロンブス像を寄贈したのだが、なんと5つもの州から“怪物だ”とか“巨大な奇怪物体だ”(マイアミの審査会のお言葉)などと散々拒否され、現在はプエルトリコの倉庫で眠っている。しぶといツェレテリは、次に9.11事件に捧げる像を作り、ジャージーシティーに提供した。だがニッケルメッキで覆われた高さ30メートルの女性器の像(題名:「嘆きの涙」)を前に、住民はショックと怒りですぐに像を撤去。そんな中、ありえないことにベーヨン市はこの像を気に入ったらしく、ミニチュア版が海岸沿いに飾られているらしい。 チカティロ ![]() (Ch)Chikatilo/チカティロ 20世紀最強の連続殺人犯といえば、やっぱりアンドレイ・チカティロ。彼は52人もの犠牲者を出したのだが(ほとんどが子供、しかもその多くをチカティロは食べちゃったらしい)、彼のスゴさはこればかりではない。彼はソ連で初めての“連続殺人犯”としてニュースを騒がせ、なんと1970年代後半から1990年に逮捕されるまでの12年間、殺し続けたのだ。ちなみにホンモノのチカティロが捕まるまでの間、何人もの罪の無い男がチカティロと間違えられて処刑されたらしい。 連続殺人犯が世界一多いロシアの中でも、最も殺人者人口が高いのはロストフという人口150万人の都市だ。チカティロもそこで殺しまくった。彼が逮捕されてからの10年間、ロフトフでは30人もの連続殺人や強姦犯が捕まった。ヤバイ。1つの都市でこんなに出てくるんだから、人口1億4000万人もいる国の連続殺人者の総人口は想像を絶するって事がお分かりだろ。今では、普通の殺人くらいじゃニュースも取り上げてくれない。何せ、チカティロがあまりにもスゴすぎたんだ。たぶん犠牲者が少なくとも20人くらいいないと他の連続殺人犯にバカにされるぜ。 (Sh)Shucks/あー、クソ! ロシアで友達を作りたいなら変に謙遜したり、“オレってバカだな”的な態度を取らない方がいい。例えば「あー、クソ!」なんて絶対口にするな。西洋では確かに謙遜や、軽い自己嫌悪は美徳とされる。これによって、自分がどんなに強くてクールで己を知った人間かという事を表すことができるんだ。だが、何もかもが直球なロシアでは、人の態度がそのまま人格として捉えられる。だから「こんなに自己嫌悪が激しい野郎と、なんでオレが友達になんなきゃいけないワケ?」ってなるので、気をつけろ。 (Shch)Sound you’ll never distinguish/絶対聞き取れない音 この“Shch”という文字は“Sh”と同様、発音すると“シュ”になる。例えばシチューのボルシチ(borshch)や、政治家のフルシチョフ(Khrushchev)なんかに使われる。ロシア人に“Shch”と“Sh”、両方言わせてみろ。聞き分けられるか? イエスと答えた野郎は大ウソつきだ。ロシアのアルファベットにはこのように、西洋人の耳には絶対聞き取れない微妙な音がたくさん出てくる。 (Hard Sign)A letter used to fool you/人を騙す時に使う文字 この文字は“固い”発音を出す為、子音の後に付けられる。しかも、これを付けるとなぜかちょっと古めかしい感じが出るのだ。 最近、ロシアの銀行は名前の後にこの難しい文字を使うらしい。そうすると「ほら、古めかしいだろ? まあ、ロシアは80年間も銀行業が違法だったから、実はついこの間できた銀行なんだけど、そんなこと気にするな。19世紀の文字を使ってるんだから老舗同然だ。信用できるぜ。もしかしたら明日オマエの全財産を中南米に送金したまま逃げちまうかもしれないけど、ほら、名前を見れば安心するだろ?」ってなる。 (iy)Vowel sound you’ll never never make/オマエには絶対発音できない文字 これはマジで発音不可能な音だ。“ウ”と“イ”と“オ”を全部混ぜて、そのまま“イー”って言ってみろ。ほら、無理だろ。しかも下あごを少し前に出し、口を少し開けて言うんだ。これをロシア人の女の子が発音すると、あー、ロシア語ってホント美しいな、って思っちまうような文字なんだ。 Soft Sign)Sound you might be able to make/もしかしたら発音できるかもしれない音 この文字を子音の後に付けると、前の音を和らげる働きがある。例えば、“ラリー”って言ってみろ。“ラ”の音がちょっと固いだろ? 次に、高い声で歌いながら“ラ−ラ−ラ−ラ−ラ”って連続で、早く言ってみろ。前より少し“ラ”が柔らかくないか? しかも舌ベロが口の天井に当たる場所が違うだろ(1度目は歯に近いところ、2度目はもっと口の奥)。これがロシア語のソフトな音の出し方。 エクランカ:海賊版DVDを潰すトラック ![]() photo by AP (Eh)Ekranka/エクランカ エクランカとは“小さいスクリーン”という意味。大概の場合、これはそこら辺の映画館でギャング連中がコッソリ撮影した海賊版DVDの事を指す。まあ、オレとしてはハリウッドの大物監督に金を渡すより、ジャージ姿の田舎者のDVDを買う方がよっぽど気分がいいんだけど、それにしても画像が悪すぎ。特に、観客が途中でトイレに立ったりするとイライラするぜ。 (Yu)Yulia/ユーリア ロシア人とアメリカ人は、なんと名前の付け方さえ大きく異なる。ロシアは男と女の名前がなんと6通りずつしか無い。 女の子の名前は次の6種類:ナターシャ、ナスティヤ、レナ、スヴェタ、アイラ、そしてユーリア。男はサーシャ、セルゲイ、ヴラッド、イゴール、アレクセイ、そしてディマ。 若い世代でさえ、今のところ新しい名前を作り上げようという意欲がないようだ。もし“コートニーヴィッチ”とか“ジェフリーヴラッド”とか、新型の名前が出てきたら連絡するよ。 (Ya)“Ya Sam”hand cream/〈ヤ・サム〉のハンドクリーム 不気味な事に、〈ヤ・サム〉は子供向けのハンドクリームらしく、ボトルには子供が書いたような文字でいろんな子供っぽい落書きがしてある。まあ、例えばボトルの落書きをした子供の事を妄想しながら、このクリームを使ってオナったりしてみるのもいいかも。ってか、くだらんロリコンネタで終わって悪いな。でも記事書いてるうちにムラムラしてきちゃったんだ。 MARK AMES |