DOS & DON'TS




THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE







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人間の胎盤を食うってのは想像以上に大変だ。まず手に入れるのが難しい。ヒッピーのメッカ、テキサス州オースティンで育った俺は、子供を産んだ母親はその子の胎盤を木の根もとに植えたり、スムージーにして飲んだりするなんて話を誰かからか聞いたことがあった。まぁ、それだと別に大したことじゃないよな。そこで俺のダチのかみさんが妊娠した時、その流れでバーベキュープランを企んだ。俺たちは彼女に闇取り引きを持ちかけたんだが、肝心の彼女は心配しているようだった。けど、マリファナと交換するって言ったら即承知。このヒッピーめ!

 彼女は胎盤をバイオハザード・バッグに包み、病院の前で俺と待ち合わせ、ソワソワしながらそれを渡してから俺を追っ払った。俺はそれを発泡スチロールで出来たセブンイレブンの小さいアイスクーラー(氷入り)に入れて、自転車に乗って走り去った。この気分って、E.T.を乗せて走り去るエリオットじゃねーか。

 胎盤の調理準備ってのは、俺が今まで関わったものの中で一番最悪な儀式だった。動物を殺した時の重要ポイントは、調理前に血を洗い流すことだろ(牛が食肉処理場に連れて行かれるとき、一番最初にやることと言えば、心臓の鼓動で血が流れ易いように足を切り落とすらしい)。それと一緒で、ヤギや羊の首を切る前に高い所につるすってのは原始人でもやっていたようなことだ。多分……。胎盤は基本的に血管の袋なので、洗う作業は長時間かかる。まじで長い。サイズ的には牛の胸肉の固まりみたいな感じで2キロ弱ぐらいあって、それに加えて1メートルぐらいある白いへその緒がついている。

 メニューは2種類:1つはソフトタコスに合うようなメキシコ料理のカルネギサダ風のシチューで、残りの胎盤でシシカバブを作る。調理にはかなり時間がかかるので、お肉はミディアム・レアがいいなんて言ってる奴にはお薦めできない。えせタコスは1時間半ほど調理していたので、実際のテイスティングの時間が来た時には、俺はかなり腹が減っていた、というよりは泥酔に近かった。それに気分も悪かったし。胎盤タコスを持ってキッチンから出て来た時には、みんなかなりイライラ状態。女共は渡されたタコスをむさぼり食う。俺は嫌々ながら、無理矢理試してみることにした。

 シシカバブは火にかける時間が長かったせいもあって、カリカリだったのに比べて、タコスはグチョグチョしていて食うのがかなり辛かった。人間の肉ってのはスポンジのような舌触りで、何となく脳みそや腎臓のような感じ。いや、別に脳みそとか腎臓を食ったことはないけど、何となく口の中だと、そういう感じがするかなと思うだけ。でも、どういうわけか、すべて平らげて、もうちょっとあればいいのにー、なんて思ってしまった。これからは履歴書の趣味の欄に、誇りを持ってカニバリズムを加えることにしよう。

TRACE CRUTCHFIELD