DOS & DON'TS




THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE







ロックンロール様。後ろで構えてるのはローレンス・ロックンロール大佐。





日々アフリカ大陸は、どんどんどんどん、どんどんどんどん、どんどんどんどん、どんどんどんどん変になっていく。しかも、救いようのない国ほど奇妙な現象が起きる。例えばもしあるアフリカの国の大統領が国の金を全部使っちまったとすると、魔法使いがどこからともなく現れて国を救ってくれたというウワサが飛び交う。大統領すら存在しない国だったら、午前中デカイ共同墓地をみんなで堀って、午後それを埋めるための死体集めの作業に取り掛かる。いや、ひょっとしたら一日中でも人を殺しまくってるんじゃないかな。しかも墓地が全部埋まっちまった場合、メチャメチャ悲惨な死体をそこら辺で腐らせるんだ。ほら、“ここから先は危険です”っていう警告文が出てくるようなインターネットのやばいサイトで「あー、見ちゃった、見なきゃ良かった。一生この写真が頭の中から離れないんだろうな、クソ」って思っちゃうような、ああいう死体。ってか、アフリカ諸君、どうなっちゃってんの? ひょっとしてスーダン内戦の犠牲者数って100億人とか超えてんじゃない?

 アフリカでは、プラスチックでできた魔法の十字架のネックレスをしていれば絶対撃たれないと言い聞かされる未成年の軍隊がいるらしい。あと、自称“マイケル・ジャクソン”とかいう野郎は子供の目の前で両親を虐殺し、強制的にその子を自分の軍隊に参加させるのだとか。あと、自称“全裸大佐”ってヤツは、銃を向けられると透明になるパワーを持っているというウワサ。あと、南アフリカでは赤ん坊とセックスすればエイズが治るって思い込んでる人達がたくさんいるって話、聞いた? あ、それとジンバブエのロバート・ムガベ大統領は非白人国民に、「白人をみんな殺しちゃっていいよ。ついでにそいつらの土地もかっぱらっちゃいな」って命令したんだってさ。結局、非白人は農業の知識が無いから、かっぱらった土地をどうしていいかわからず全部枯らせちゃったらしいけどさ(前もって計画立てりゃ良かったのに、ムガベ君)。いい話だろ? え、違うって?

 聞いて驚け。このただでさえイカレた大陸の「え、ウソだろ?」度が現在、更に急上昇している。実は、ヒトラー髭のムガベ大統領でさえクソをちびらせちまうほど強烈な新独裁者が出現。彼の名はロックンロール(そう、ロックンロール)。彼は死ぬ寸前の処女の血しか口にしないらしい。しかも処女が苦しめば苦しむほど、血がおいしいのだとか。

 ともかく、アフリカのこういった連中はみんな漫画のキャラクターみたいだ。例えば、ロックンロールは身長155cm。しかも若干17歳。彼はスーダンの孤児らしく、ウワサによると以下の魔力を持っているらしい:不死身(処女の血さえ飲み続ければの話)、透明になれる(つまんねー)、銃に撃たれても平気(またまた、つまんねー)、空が飛べる(あ、これ新しい)、セックスせずに女を妊娠させる力(こりゃたまげた)、そして『エルム街の悪夢』のフレディのように、夢の中に潜り込んで女をレイプする力(ロックンロールは金正日同様、映画オタクらしく、結構映画からパクッたネタが多い)。

 間違いなくこいつの頭は爆発的にオカシイ。だが、実は現在ロックンロール支持者は日に日に増しているのだとか。ムガベ大統領の支配下、国中の畑は殺人キッズの手でメチャメチャに荒らされ、おかげでジンバブエは今経済的にも精神的にもギリギリの状態。だから誰にでもついていくし、よりクレイジーなほどイイ。ちなみに一見発狂した暴君にしか見えないロック(ロックでいい? いちいちロックンロールって書くの面倒臭くなってきた)だが、実は結構まともな軍隊を抱えているのだ。“ロックギター”という名の副官の上に、“ローレンス・ロックンロール先生”という大佐、そして“バイス・プレジデント”副大統領率いる多くの兵卒が彼の指導下にいる。なぜかって? そんなの知るか。たぶんあまりにもブッ飛んじゃったアフリカを更に破壊するには、相当計画的にやらないと無理なんじゃないかな。わかんないけど。ってか、なんでアルコール中毒者の多くはしょっちゅう髭を剃って髪の毛はオールバックか、知ってるか? ほら、答えられないだろ? 答えが見つからない質問ってのもたまにあるんだ。まあとにかく、本題に戻ろう。



“バイス・プレジデント”副大統領。

「ロックンロールは終わった。私もジンバブエの国民も、彼に怯えてなんかいない」

 国境無き医師団の一員として時間を無駄に過ごしたダン・フレミングというヤツは、ロックンロールに殺されそうになった処女を命がけで救ったらしい。彼はロックンロールに捕まった経験がある数少ない生存者ってワケだ。「彼はもう彼女の血をほとんど飲み干してしまい、あとは死ぬまで放っておく、という状態だった」と、まるで昨日起こったかのようにパニック状態でフレミングは話した。「だがみんなが部屋をあとにする時、最後の兵隊が偶然俺の姿を見つけて、辺りは騒然。彼らはみんな一気に俺を囲み、顔とペニスを蹴りまくった」。ちょうどその時、フレミングはあるウワサを思い出した:ロックンロールはギターを神聖なものだと思い込んでいるらしく、その魔力に怯えているのだとか。「彼はギターが怖いって話をどこかで聞いたから、急いでギターを弾くフリをしたんだ。そしたら信じられない事に彼らは急に震え上がった。あと少しで首を刎ねられるところだったのに、俺がジャーン、ジャカジャカってギターを弾くマネをした途端、みんな大声で叫んで逃げてった。マジで? って感じだったよ」

 そんな中、ムガベ大統領は全くの無力。国境無き医師団やジャーナリストを保護する力がないどころか、自分の命でさえ危ういのだ。彼は、靴すら履いていない上に半数近くがエイズ感染者というオンボロ軍隊を率いていて、毎日3回は命を狙われるらしいが、それでも前向きな態度で頑張っている。「ロックンロールは終わった」と、先週の木曜日に行われた記者会見でムガベは言った。「私もジンバブエの国民も、彼に怯えてなんかいない」。へー、そうなんだ。でも調査によると、なんとジンバブエ人の87%以上がロックンロールの魔力を信じているらしい。てか、ロックが空を飛んだり銃弾を避けたりしてる目撃情報があまりにも多いため、「もしかしたら……」なんて本気で思っちゃいそうだぜ。ジンバブエは悲惨な国だからこそ、少々イカレててもいいからスーパーヒーロー的な存在がきっと欲しいんじゃないかな。確かに処女を殺して血を飲むのはちょっと行き過ぎかもしれないけど、遠い惑星から来たスーパーヒーローだったらありかもって思っちゃうんじゃない? 例えばもしスーパーマンが突然地球にやってきて、「人間諸君、毎日子犬を2匹殺せば世界が救える」って言ったとしたら、みんなやっぱり動物保護協会を縛り上げて、犬小屋に走って子犬の頭をグシャって踏みにじるんじゃないかな。ってかアメリカの動物愛護協会は保護するのが面倒だからって日々何千匹もの子犬を殺してるから、彼らに頼めば話は早い。

 もしロックンロールがニューヨーク市長に立候補しても、当選する可能性はゼロに近い。だが、実際ロックンロールは地獄みたいな国で権力を握っている。考えてみろよ、宇宙ってヤツはとてつもなく広い。って事は、何が起きるかなんて全く予想がつかないってワケだ。って事は、もしかしたらこの世界以外にも他の世界が存在するのかもしれないじゃん? つまり、遠い惑星からスーパーマンが降りてきて、「地球をリフォームします」って言われても全然おかしくないって事だろ?

 いずれにしろ、ムガベ大統領は間違いなく死んだも同然。イラクの新リーダーや南アフリカのマンデラでない限り、まっさらから国を立て直すなんて到底ムリ。つまりジンバブエに希望を与えてくれる唯一のものと言えば、もしかしたらメチャメチャ凄い魔力を持ってるかもしれないスーパーヒーローの出現しかないのだ。まあ、実際はたぶん魔力なんて無いだろうけど、ありえるかもしれないだろ? っていうか、他に何かいい提案あるのかよ?

TOMMY ARAK SMITHS