DOS & DON'TS




THE CREATORS PROJECT - SPIKE JONZE







Photo by Alex Sturrock





イギリス人のコカイン摂取量は、ロックバンドのオアシスが国中のウンコ野郎全員にコカインをやりたいと思わせてから飛躍的に跳ね上がった。でも、そのせいでコカインの質が落ちたんだ。ディーラーは今や携帯電話会社のマーケティング担当の女の子や15歳の中流階級の車泥棒たちに1日最高30回も薬を売っている。だが、メインの客であるホンモノのジャンキーはこの素人向きのクソなコカインを吸っても全くハイになれないのだ。そういうわけで、クラックコカインの使用量は過去3年間で87パーセント上昇している。聞き間違いじゃないぜ。ロンドン中が青い唇をしたクラック中毒者たちで溢れかえってるのは全部オアシスのせいなんだ。

 クラックを買う人間が増えるってことは、それを売る人間も増えるってことになる。クラック取引は、以前はヤーディー(ジャマイカ系のギャング)、リバプール出身のイギリス人、そしてイーストエンドのギャングたちにほとんど支配されていた。でもここ最近、果ては2歳の子どもまで働かせるムスリム原理主義者のギャングたちがこの業界に強引に参入してきた。

 こいつらは残虐な戦争ビデオを買い、ジャン・ポール・ゴルチェの香水で作られた爆弾で労働者階級の庶民をバラバラに吹き飛ばす人間に共感を持つ、陽気な連中だ(なんでゴルチェの香水かっていうと、ボトルが金属でできていて、爆発するときにX-Menの武器みたいにたくさんの金属片が飛び出すから)。

 ヤーディーは昔ながらのやり方を好んだ。彼らは汗まみれの靴下にチーズを詰めたかのような異臭が漂う不気味な家に若いディーラーを呼び、そこで細かく袋分けしたクラックを手渡していた。でも、ディーラーたちは商品を取りに行くのがいつも怖くてしょうがなかった。だって、たいていこういう家は目をつけられてたからね。ひっきりなしのエスニック・パーティーと、いつも朝7時半にやってくる売春婦たちを見りゃ、捕まえてくださいって言ってるようなもんだ。

 ムスリムのクラックディーラーのギャングたちは、それに比べたらはるかに抜け目がない。ヤーディーたちよりも安く売ってるし、クラックの取引網を自分たちのものにしつつある。イーストロンドンにブリックレーンという場所があって、そこはよくカレーマイルと呼ばれるカレー屋が軒を連ねるエリアなんだけど、インド料理のごちそうがそこではタダ同然で食べられる。「どうやったらこんなにたくさんの人を雇って店の家賃を払えるんだ?」って思わずにはいられない。その答えは、奴らがこの写真みたいなドラッグの袋を渡して、時にはフェラチオをやってあげたりしながら、クラック市場をヤーディーたちから奪いつつあるから。ブリックレーンのカレー屋でサモサを買ってるときに警察に捕まることなんて、ほぼ間違いなくありえないからね。例えそのサモサにクラックとヘロインの小袋が35個もぎっしり詰まっていたとしても。警察はムスリムを襲撃するのにとてもナーバスになっているから(7月7日の爆弾騒ぎのせいで)、クラックディーラーたちはドラッグをムスリムから手に入れてるんだ。

 クラックとヘロインの詰まったサモサやオニオンバージ(たまねぎの天ぷらみたいなの)1個が250ポンドくらいで、ディーラーはそれひとつで200ポンドの売り上げになる。悪くない商売だろ?

 このサモサを俺たちに売ってくれた15歳のムスリムの少年はこう言ってた。「コーランはたくさんのことを禁じてる。欧米人の君たちが見てる通りさ。女の人に対する制限、食事に関しての厳しいルール。法典はメディアによってすごく誤って解釈されてるから、欧米人には理解できない。でも実際、コーランは人生において一番正当なガイドなんだ。ウソをつくことは禁じられているけれど、異端者と戦うためにウソをつくことは許されている。僕たちは、この取引から利益を得ることをそれと同じように見ている。同時に弱い異端者たちを中毒にして、最終的にはその命を滅ぼす。僕たちは神に感謝しているよ。パーフェクトじゃないか。僕たちはこれをジハードと考え気に入っているし、連中はハイになって喜んでいるんだから」。あ〜あ、恐ろしい。

ANDY CAPPER