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LITERARYREVIEWED BY TOMOKAZU KOSUGA
駕籠真太郎 Self-published 世界初にして今後も他から出るコトはないであろう東南アジアの妖怪『抜け首』を題材にした同人誌。まあこのカバーイラストを見れば一目瞭然だけど、抜け首がどんなモンなのかを知りたければ、この本の冒頭文を読んでくれ。“エログロ/スカトロ/猟奇/人体改造”、ありとあらゆる不謹慎ネタを扱ってきた駕籠真太郎。そんな彼がさらにこんなテーマで描いちゃうと、読んでるヤツらにとってはますます彼の性癖が気になってくるところ。「カゲで実際にやってんじゃないか?」とかさ。でも彼にとっては“誰もやってないコトをやる”のが大事なだけで、いちいち自分の性癖とか性癖あるいは性癖なんかを反映させてるワケじゃないらしい。ちょっとザンネンなような、ホッとするような……。とにかく抜け首初心者のキミがいきなりこの本を手に取ってページをめくると、そこには駕籠真太郎が3日3晩悩みに悩んだネタ満載の抜け首ワールドが広がってるから気をつけよう。それにしても抜け首って全身弱点だけど、コレで妖怪として成立するの? http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/
石川直樹 リトルモア 正直なところ、今まで彼の写真ってのがどうも理解できないでいた。写真集『NEW DIMENTION』が出たとき、どこもかしこもみな右習えで絶賛していたその一方で、オレは一人首をかしげていた。だって、まだまだぜんぜん若いのにずいぶんと落ち着いちゃった写真撮るし、なんだか年寄りみたいだろ? ああいう達観した写真は年寄りの写真家たちに撮らせればイイし、もっともっと若いうちにしか撮れない写真があるんじゃないの? でも今回の写真集『Mt.Fuji』に対するオレのファースト・インプレッションはこう:「あっ、富士山! イイじゃん! カッコイイじゃん!」 スゲー素人じみた感想だけど、最初の印象って大事だからさ。しかもよく調べてみたら彼は山登りが好きみたいで、七大陸世界峰も最年少で達成しちゃってる。なんだ、山好きなら山の写真が良く写るのは当然。“好きこそモノの上手なれ”。カッコつけて“森山大道のマネ”してモノクロで散歩写真を撮るよりも、1つ自分が好きなモノを“自分の目線”でひたすら撮り続けた方がよっぽどちゃんと写真に写る。だからコレはイイ。ああ、それともう一つ:彼は空撮のカットがいつも多いから、「手抜きなのかな?」とつい勘ぐっちまう。“足でかせいで撮った写真”だけでも良かったんじゃない? http://www.littlemore.co.jp/
近藤聡乃 青林工藝舎 まずなによりも、彼女は字がウマい。字でホレちまう。ところがどっこい! 字がウマいだけじゃない。ますむらひろしのファンタジーワールドを踏襲した大胆かつ独創性あふれる世界観に、米倉斉加年や高橋葉介、中村 明日美子をミキサーにブチ込んでグッチャングッチャンに混ぜ合わせて出来た物体Xをかわいらしく作り替えたカンジ(この3人に関しては世界観も絵のタッチもマンガの構成もなんだか似ている)。それに加えて、写植をしなくてもイイほどの達筆ぶり。ココまで来ると、マンガというよりもむしろ絵本。ああ、こうして見るとマンガって絵本にスゴく近い。『絵本マンガ』と言えば西岡兄妹だけど、彼らとはまたちがった良さを彼女は持っている。彼女はマンガだけじゃなくてイラストも描いてて、『少女/虫/花』といったモチーフで構成されている。……最近の女流作家って、ジャンル問わず“キモカワイイ”ってのがまかり通ってる気がするけど、なんでなの? 写真もその手の作品が増えてきてる。昔からオンナのコって虫がキライじゃなかったっけ? まあ、“オンナのコと虫”っていうアンバランスがまたエロくてイイんだけどさ。まったく、オンナには敵わないよ。 http://www.seirinkogeisha.com/
菊池 修 リトルモア この写真集で菊池は、長谷川博史という一人のHIV感染者の姿を追った7年間の写真を、その途中途中で感じた多くの迷いや決心を表現した文章で説明しながら構成している。写真で伝わるコトなんて実はそんなに多くなくて、ましてや撮り手の意図/狙いなんてなかなかどうして伝わらないモノ。この写真集で言うと、エイズがテーマなのにモノクロで構成されてるモンだから、ストレートにダークなイメージでメチャクチャ暗いだろ? だから初めてページを開いたときの第一印象も『うっわ、ハンパなく暗そう……』ってカンジだった。でも添えられたテキストを読みつつじっくりとこの写真集を味わっていくと、どうもそうじゃないってコトがだんだん分かってくる。最初こそ“HIVに感染している人”として長谷川を写真に収めてきた彼だけど、ある出来事をきっかけに「そうじゃないんだ」ってコトに気づく。“HIV感染者のオトコ”としてではなく、“長谷川博史という一人の人間”として写すコトが大事だって分かったんだ。それをきっかけに、彼が撮る長谷川の写真は変わる。そうして始まる最後のパートの写真群が、とてつもなくイイ。長谷川、長谷川、長谷川。堰を切ったかのように、長谷川の姿しか写っていない写真が連続する。もう、2人のあいだにその他の余計なモンなんて必要なかった。コレが本当の“愛”ってモンだ。でもそんな彼と長谷川との対峙だって、写真だけじゃ到底伝わってこなかっただろう。時として写真は凶器にもなりうるけど、その一方で無限大の可能性を持った伝達手段にもなりうる。そんな“諸刃の剣”でもある写真という表現でエイズを描く危険性と可能性を悩みまくった菊池だからこそ、彼のテキストは写真を殺すコトなく活かすコトができた。なんだか色んな可能性を秘めた写真集。 http://www.littlemore.co.jp/
西岡兄妹 青林工藝舎 西岡兄妹の本は予定調和によって築かれている、少なくともオレが読んだ『この世の終わりの旅』とコレに関しては。なんの変哲もない環境に生きているオトコが急にドコだか知らない世界へと放り出されて、そうして始まる夢の旅。もちろん最後には家に帰還。ココまでが予定調和。ストーリーは支離滅裂、脈絡なんて無いに等しい。でもコレはマンガではなく絵本だからコレでイイし、ソコが心地イイ。小学生ぐらいの頃に出会っていたかった、それが西岡兄妹。 http://www.seirinkogeisha.com/
Mari Hiratsuka & Kaoru Harada Self-published インターンがヘンなモノを送りつけてきた、せっかくだからココで晒してあげよう。右はイントロからの一文:「BIZARRE LOVE TRIANGLEはMARIとKAORUによるフリーペーパー。なんでこんなペーパー作ったかっていうと、Mariとあたしで話が盛り上がっちゃったからかな(笑)私たちの自己満……っていうか、私たちのタメのフリーペーパーであり、私たちがどんな人物であるかっていうのを知って欲しいな」 ……ハンパじゃねえ。すでにオレの脳ミソの許容範囲を超えすぎてて、受け止めるのに時間がかかっちまった。全体を通して“19歳のオンナのコのオトメゴコロを、ミカンの皮ムスコの皮よろしく外皮を剥いて生身にしちゃったカンジ”、ひとたび読み出すとまるでピンク色のハートが1032兆個くらい浮かんでる窮屈なトイレでクソしてるかのような気分に陥り、なんだか覗きでもしてるかのように、読んでるこっちが恥ずかしくなってくる。ほんのちょっぴり感じる罪悪感もコレまたスパイスとなって、ニヤニヤニヤニヤ眺めちまう……で、コレってドコで手に入るの? 完全に開き直ったオレはもう待ちきれない、オレをオトメゴコロのドピンクで埋め尽くしてくれ! http://blt.is-mine.net ![]()
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