THE EROS OF BODILESS HEADS

抜け首エロス

INTERVIEW BY TOMOKAZU KOSUGA



タイを含む東南アジア全域に伝承される妖怪『抜け首』。普段は何の変哲もない人間だが、夜になると胴体から首と内臓が抜けだし、妊婦や子供を襲っては生血をすする。当然ホラージャンルでも人気の存在であり、タイだけでも10本近い抜け首映画が製作されている。

 そんなマイナーホラーに飽くなき好奇心を向ける日本人漫画家・駕籠真太郎。『エログロ』『スカトロ』『人体改造』『ロシア』『奇形児』などといった不謹慎ネタ満載の彼の作品は、メディアがことごとく自主規制を敷き詰めている“決して触れてはならないゾーン”に素足でアッケラカンと踏み込んでは足跡をベットリと残す。マンガ界からそっくりそのまま銀河系レベルで逸脱していると言っても過言ではないほど、圧倒的な世界観を誇るとともに、もはや漫画家なのかアーティストなのかさえよく分からない世界に住んでいる仙人のような男だ。

 そんな彼にVICEのカバーイラストを描いてもらったのが、去年の初め。とんでもない傑作を残してくれた彼だったが、その後もVICEの影響もあったのか、去年だけでもいろいろな動きがあったようだ。そこで今回、新年を迎えたコトだし、ひとつ去年を振り返って色々と聞いてみた。

VICE v4n7での掲載がきっかけで去年4月にアムステルダムで個展を開くコトになったけど、あっちでの反応はどうだった?
アムステルダムにはマンガがないらしいから、向こうの人としてもよく分かんなかったんじゃない? みんな開口一番に「マンガってなんなの?」って質問してくるくらいだったからね。あと会場のカベにパステルでイラストを描いたけど、パステルってけっこうこすれやすいモノだから、オープニングパーティーじゃ服で絵をこすっちゃってる人がいたんだよね。だから次の日に描き直したりしてたよ。やっぱり今回は滞在時間があんまりなかったのとインタビューが多かったせいで、絵に時間をかけられなかったんだ。それでパステルでカンタンに描いたんだけど……4、5本の取材を受けたかな。

アムステルダムでの展示に続いて銀座/江古田/高円寺での巡回展と、展示続きだった2008年だっただけど、巡回展での展示はどんなモノだったの?
巡回展のテーマは『抜け首』だった。コレはタイ/カンボジア/インドネシアの東南アジア一帯に伝わる妖怪のコトで、映画の題材としても使われてる。有名なのがインドネシアの映画『首だけ女の恐怖』っていうモノで、コレは抜け首系映画の中でも唯一ソフト化されたんだよね。いわゆる西洋のホラーとは異なったテイストが好まれてか、カルト映画マニアのあいだでは有名なの。この映画は僕も昔から知ってて、実際に観たコトもあったんだけど、そのときは抜け首の映画なんてコレぐらいしかないのかと思ってた。でも実際にはたくさんの抜け首映画がタイで作られてるってコトを割と最近知ってね。「ああ、こういうジャンルがあったんだ」と思って、さらに調べてみると、通販でも買えるのが判明したから集め出した。もちろん海外からの通販だけどね。

抜け首って、ビジュアル的にはホラーというよりむしろギャグってカンジだけど……
たしかに現地以外の人にとってみれば、 “ちょっと特殊なモノ” っていう感覚はあるよね。でも現地の人たちからしてみれば真剣な恐怖の対象で、とにかくあっちじゃオオカミ男とか吸血鬼と同じくらいスタンダードな伝統的オバケなの。でも映画にすると技術的な問題もあってか、ちょっと稚拙なカンジになっちゃう。そこがまたおもしろいんだけど、だからと言って意識的に稚拙なカンジに作られたらおもしろくないんだよ。そうじゃなくて、彼らがシリアスにがんばって作ったモノを第三者的立場から冷静に見るっていうスタンスがイイんだ。たとえば、日本でキョンシー映画を見るのと同じ感覚かな。

 抜け首に関しては3年くらい前にマンガのネタで使ったのが始まりで、それは単行本『夢のおもちゃ工場』っていうのに載ってる。 “抜け首をここまで重点的にやってるヤツも他にいないだろう” って思ったから始めたんだ。自分の中ではさいきん熱が冷めつつあるんだけど、ここ最近でやった抜け首モノを挙げると、今回の巡回展/同人誌/ベビーフェイスでの連載/ガチャポンってカンジかな。大体その辺を全部やってみたよね。だから、このシリーズを世界中の抜け首マニアにアピールしたら売れるんじゃないかって思うんだけど。日本でもマニアックな人は抜け首のコトを知ってるんだけど、もちろん知らない人の方が多いハズだから、このシリーズを見てもなんだか分からないって思うケースが多いかもしれないね。だからまずは映画を観て欲しいよ、相当インパクトあると思うから。新宿のTSUTAYA辺りだったら置いてるんじゃないかな。

去年行ってきたタイ旅行も、コレ系DVDの調達が目的だったって聞いたけど。
まあそればっかりってワケじゃないよ。“現地で見つかればイイな”くらいに思ってたんだ。でも実際にはぜんぜん見つからなかった。嫁と一緒に行ったから、あんまりヘンなトコにばっかり行くワケにもいかないしね。あるところにはあるんだろうけど、タイって品物の回転が速いから、在庫もどんどん変わっていっちゃうみたい。だから古い映画だと手に入らないみたいだね。

それにしても展示では“抜け首同士のセックス”っていうブッ飛んだ設定だったね。
僕の絵であそこまでストレートなエロっていうのは実は珍しくて、少なくとも一枚絵であそこまでストレートにエロを表現したのは初めての試みだったかもしれない。単なるエロだったら今更自分が描いてもしょうがないっていうのもあったし、抜け首って大抵が女のヒトなんだよね。女のヒトの首が抜けて、さらにその下に内臓がブラ下がってるっていう状態が、グロテスクでこそあれど、かなり特殊なエロティシズムを醸し出している。そういうところで好き者が好んでくれるかもしれない。抜け首って、基本は普通の生きた人間なの。普通の女のヒトがなんらかの呪いにかかって、自分の意志とは関係なく夜な夜な首とその下の内臓がスポッと抜けちゃう。自分の意志とは関係なく、夜になるとオオカミになって人を襲いに行くオオカミ男と一緒で。それから、「こんなワタシの恥ずかしい姿を見られちゃった」的な一種の恥じらいも相まってイイカンジになるんだよね。

抜け首ってよく見ると内臓出まくりで弱点だらけじゃん!
ね、内臓晒しちゃってるからね。

今回はなんだかいつもとテイストがちがって、ギャグテイストが一切ない。スゴくシリアスな絵のように感じたけど?
僕がふだん描く絵はいわゆる“純粋なエロ”ではなくて、“下ネタ”だと思ってる。僕はエロにも大雑把に3パターンあると考えてて、それが『エロ』『エロス』『下ネタ』の3つなんだ。『エロ』は純粋に実用性のあるモノ、『エロス』は確かにエロ的な部分もあるんだけどもうちょっとアーティスティックなモノ、そして『下ネタ』は子どもが「うんこうんこちんこちんこ」って言ってるようなレベルのモノ。僕の場合は下ネタなんだよね。そういう傾向も、おそらくは性格的な問題なんだと思う。“マジメにやるのがキライ”みたいなトコあるからね。

それじゃあ、今回の抜け首は“エロス”ってコト?
そう、エロスだね。アレを下ネタとはちょっと言いずらいかな。アレは日本よりもむしろ海外ウケすると思う。抜け首自体、どちらかと言うと日本ではほとんど知られてなくて、むしろ欧米の方がマニアもいると思うんだ。

最近はアニメも製作してて、いろんなトコで上映してるみたいだけど、アニメを作るきっかけは?
いちいち実写で撮影しなくて済むからかな。アニメはアニメでもちろん手間ヒマはかかるけど、机の上だけで済むでしょ? 実写の場合はそういうワケにいかないからね。実写でアニメの内容をやってたら、大変なコトになっちゃうしさ。

実写とアニメのどっちが好き?
うーん……その時のノリというか、『どっちをやったら楽しいか』くらいにしか考えてないよ。作ってるその時が楽しければいいんじゃない? 今はアニメを中心に製作してるから、アニメをもっとたくさん作ってDVDにまとめたいと思ってる。今現在、実写の作品の方は『駅前花嫁』と『パラノイアストリート 管の町』っていうDVD2本にまとまってる。アニメはまだ6本手度しか出来てなくて、こないだの高円寺での上映でも新作を公開したかったんだけど、ちょうど新刊の準備をしなくちゃいけなかったせいで間に合わなかった。その新刊は『ベビーフェイス』っていうスカトロ雑誌に掲載した作品を集めたモノで、メインテーマがウンコなんだ。それで、似たようなテイストの作品だけだとページ数が足りなくなっちゃってね。ホラー系の作品だったらあったんだけど、ウンコとホラーじゃバランスが悪いから止めた。それで新刊用に書き下ろしたんだけど、カラー6ページ/モノクロ14ページの合計20ページくらい描かなくちゃいけなくて、やっぱり時間がかかったね。その新刊のタイトルは『おばあちゃんが死体くさいよ』と言って、久保書店から一月に発売される。それから新刊発売に合わせて2/1(日)に中野ブロードウェイ・タコシェでサイン会をするんだ。新刊は1/20前後に発売されるんだけど、タコシェで購入してくれたら整理券をもらえるから、それを大事に持っててくれればサイン会に参加できる。だから多くの人に買ってもらって、読んで欲しいと思うよ。


新刊『おばあちゃんが死体くさいよ』は久保書店から一月に発売


そう言えば最近、 SAME HAT! SAME HAT! で駕籠さんのコトをよく観るね。けっこう海外からの注目が高まってきたんじゃない?
そうそう、あそこは僕のコトをとてもフィーチャーしてくれてるみたいなんだよ。この前の江古田での展示でもそのつながりの人が来たからね。「ブログに載せてもイイか?」って言われたたから、ドコに載るのかと思ってたら、SAME HAT! SAME HAT! だった。まさかアソコだとは思ってもいなかったよ。僕の映画についても細かいコトが書かれてた。あとこないだインドのテレビから取材を受けたんだけど、僕が自主映画を作ってるコトを言ったら、その取材にやってきたスタッフ2人を出演者にして僕が映画撮影してる風景をさらに後ろから撮影したいって言われちゃった。前にコミケにも取材で同行してきたんだ。しかもその番組はNHKと共同製作らしいんだけど、 NHKで僕のコトなんか流せるのかナゾだよね……ゴメン、ちょっと電話してもイイ? なんかガチャポンの色塗りが出来たみたい。あれ全部手作りで製作から色塗りまで全部やんないといけないから、さすがに一人でやってるとちょっとしんどいから、知り合いに頼んでるんだ。

彼の作品の多くは彼のオフィシャルから購入するコトが可能。
http://www1.odn.ne.jp/~adc52520/



〜 駕籠真太郎による抜け首ヒトクチ講座 〜


Krasue Gad Pop(1990)
抜け首のほかに別の女妖怪も登場。森の中で猫パンチのようなゆるい殴り合いの妖怪頂上決戦が始まる。



Krasue Grahailuead(1995)
男に強姦されそうになったところを助けてくれた老婆。しかし老婆は抜け首妖怪だった!



Krasue Valentine(2006)
比較的最近の抜け首映画。首が飛行する場面はCG合成が使われており、技術の進歩がうかがえる。お花畑を舞う、内臓ぶら下げた生首! ブラボー!


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We were trying to calculate how many years too old she was to be wearing this but 42 minus “never” doesn’t give you an actual number.

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Peaking on acid at the same time the opium suppositories kick in is one thing, but piloting an octo-cycle at a trillion megapixels a second through the backstreets of Barcelona at the same time? Thank God he’s wearing adequate headgear or this guy could end up seriously damaged.
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