写真展『Now I Remember』が出来るまで
TEXT AND PHOTOS BY KAZUYUKI MATSUSHITA
EDITED BY TOMOKAZU KOSUGA
2008年夏にNYのギャラリー〈Max Fish〉で行なわれた8人のアーティストによる写真展『Now I Remember』。 “《BlackBerry》の内蔵カメラで撮影した低解像度フォトで展示をする” というスケーターならではのコンセプトから生まれた本展が、この度めでたく日本のショップ〈 STITCH TOKYO〉で開催される運びとなった。
このキュレーターを務めたのが、プロスケーターのTodd Jordanと、〈Max Fish〉でバーテンをしている元プロスケーターのTino Razo。他の参加メンバーとして、Viceで連載していた『Epicly Later’d』でお馴染みのJerry Hsu、Kevin “Spanky” Longといったプロスケーターもいれば、Aaron Bondaroffの名もある。おっと、それからNeckfaceも忘れちゃいけない(コレがまたトンでもなくメチャクチャなヤツなんだ)。
とにかくVice誌面でみんなよく見かけてきたツラの揃った本展。それをそのまま日本に持ってきて展示したってワケ。しかも今回、写真展の開催にあわせて参加メンバー全員が来日した。まあ、言わなくても分かるだろうけど、ハチャメチャな数日だったよ。
てなワケで、今回彼らをアテンドしたオレがその一部始終を軽くレポートしよう。
3月9日 ToddとTino来日

会場着いてすぐに一服し始めた2人。
まずキュレーターの2人、ToddとTinoは展示準備のため、他メンバーより先に日本入り。そこでオレは成田空港まで迎えに行った。オレたちはこの時初めての対面だったが、準備万全のオレは彼らのパスポート写真のコピーをポケットに控えていた。だから2人が来ても問題ナシってなワケ。
そしてとうとう到着ロビーに現れたToddと……アレッ? Tinoは? えっ、あのトナリのヒゲモジャ? 慌てたオレはパスポート写真を再確認。そこに写っているのは……ボウズ頭のTino。別人じゃん。ソレでも入国審査をスルーするコトに成功したTino。2人ともスケーターなので、当然デッキ持参で登場。手荷物が少ないコトにも驚かされた:今回の展示のためにプリント500枚以上を持参してくるって聞いていたから、どれだけ大量の荷物でやってくるのかと思いきや、2人ともバックパックと両手の手提げ袋しかないんだもの。
空港からの帰り道、まさかの吹雪。雪の中2人をクルマに乗せ、夜の高速を走る。その光景はまるでNYにいるかのような錯覚。まあアメリカ人2人とクルマに乗っていたら、それだけでも十分NYってカンジだしな。そうして2時間かけ、やっとのコトで写真展会場に到着した。休むヒマもなく2人はプリントを取り出し、明日からの設営に向けてシミュレーションを始めた。

さっそく展示のシミュレーションを始めた2人
3月10日 写真展の設営スタート
設営初日の朝、ホテルまで2人を迎えに行く前に〈東急ハンズ〉へ。設営時に使うマスキングテープを買うためだ。ゲストの彼らに用意させるワケにはいかないしな。というワケで、テープ売場に行ってみると、なんとソコにはToddとTinoの姿が。もちろん待ち合わせをしたわけでもなければ、時間や〈東急ハンズ〉の場所も教えたワケでもないのに。この時、オレの脳裏では写真展がウマく行く様子がボンヤリと浮かび、テンションが上がったのを憶えている。当然、ホテルまで迎えに行く手間も省けた。
東急ハンズを出たオレたちは、 “目薬が欲しい” というToddのために〈ドン・キホーテ〉に寄り道。Todd曰く「目が1番COOLになるヤツが欲しい」とのコトなので、ハコにでっかく “COOL” と書かれているモノを迷わず購入。この後、会場までの道のりで “COOL目薬初体験” の2人は、その刺激の強さに絶叫。その目薬を気に入ったToddは、滞在しているあいだ、ヒマを見つけては目薬をさしていた。

目薬をさして涙目のTodd

プリントのウラに取り付けるマスキングテープを用意するTino
会場に到着した2人は、さっそく作業をスタートさせた。500枚の写真を展示するという大がかりな作業だ。1枚に1分かけたとしても、単純計算で8時間はかかる。1枚に2分かけたら……実に16時間! 一体どれだけの時間を要するのかと思うと、軽くめまいがした。しかしそんな不安も、設営開始30分ほどで吹き飛ぶコトに:2人は写真を次々に床で並べ、壁の平行を軽く確認したら迷わずにドンドン貼り始めたんだ。2人のおかげで、作業は予想よりも早いペースで進められた。その途中途中で彼らは、写真の内容の説明をしてくれたり、終始楽しそうに作業を進めていた。

写真をセレクト中の2人

迷いなくドンドンと貼り進めていく

この写真に写っているのが自分だと説明してくれたTino
3月11日 残り6人の来日
設営2日目。この日は残り6人のアーティストが揃って来日する。ToddとTinoの2人は、1日目のペースを崩すコトなく作業を進めていった。さすがに後半は疲れが出てきたものの、残りの6人が会場に到着する頃には作業がほぼ終えていた。
展示の作業に付き合っていたオレは、残り6人を空港まで迎えに行くコトが出来なかった。迎えに行ったスタッフの話では、帰りの高速道路でNeckfaceがクルマの窓からカラダを乗り出して叫びまくっていたらしい。とは言え、その後の付き合いを通して彼が本当はシャイでスゴくイイヤツだってコトが分かったけどね。

空港で6人を出迎えるタメのウェルカムボード “BROS” を作成中のTodd

最後の1枚を貼るTino

全ての写真を貼り終え、笑顔の2人を記念撮影
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写真展《NOW I REMEMBER》
3/13(Sat)~3/22(Mon) at STITCH TOKYO
Artists:
Todd Jordan, Kevin “Spanky” Long, Jen “JR” Reynolds,
Jerry Hsu, Curtis Buchanan, Tino Razo, Neckface,
Aaron Bondaroff
本展を記念して製作された全部で9柄のTシャツと
写真集は、現在〈VICE SHOP〉で購入可能だ。




